共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2020年3月

ショウジョウバエ視覚中枢をモデルとした組織の発生と腫瘍形成機構の理解

日本学術振興会  科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)  新学術領域研究(研究領域提案型)

課題番号
18H05099
体系的課題番号
JP18H05099
配分額
(総額)
7,800,000円
(直接経費)
6,000,000円
(間接経費)
1,800,000円

組織の発生、恒常性維持において、未分化細胞の増殖と分化は様々なシグナル伝達経路の相互作用によって厳密に制御され、種々の分化細胞が産生される。この細胞社会ダイバーシティーの破綻は種々の疾患の発症と密接に結びつく。例えば、未分化細胞の過剰増殖は腫瘍化を引き起こし、早期の分化や細胞死は変性疾患を生じる。これまで、組織発生及び腫瘍形成モデルにおいて、未分化細胞の挙動を制御する個々のシグナル経路の動作機構の理解が進んできたが、生物学的アプローチのみでは細胞間相互作用を含む複雑なシグナル間相互作用を正確に記述することは困難であり、全体像の理解には程遠い。
本研究では、未分化細胞の増殖と分化が時空間的に制御された中で進行するショウジョウバエの視覚中枢をモデルとし、実験生物学的手法と数理生物学的手法を組み合わせることで、複数シグナル経路の相互作用の全体像を明らかにし、組織の発生と腫瘍形成機構の包括的な理解を目指している。
2018年度は視覚中枢の発生を定量的に理解するために、ライブイメージングによる視覚中枢の発生の可視化を試みた。また、視覚中枢の発生と腫瘍形成を制御するHippoシグナルと、Hippoシグナルとの遺伝学的相互作用が示唆されたインスリンシグナルについて、その動作機構について解析を行った。さらに、ライブイメージングの結果得られる未分化細胞の増殖をシミュレーションで再現できるように、視覚中枢の発生を模倣する数理モデルの改良を行った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PUBLICLY-18H05099
ID情報
  • 課題番号 : 18H05099
  • 体系的課題番号 : JP18H05099