共同研究・競争的資金等の研究課題

2000年 - 2001年

建築付帯物から発生する空力騒音の数値予測に関する研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
12450231
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
7,500,000円
(直接経費)
7,500,000円

実スケールの解析:解析手法はLighthill-Curleの理論を基にして,非圧縮性流体解析手法により音源近傍を解析し,得られた物体表面上の流体音源からの放射音場をCurleの式により計算する手法とした.流体解析には標準SmagorinskyモデルによるLESを使用した.解析対象は辺長21mmの角柱が13本並んだベランダ手摺子とし,解析レイノルズ数は風速12m/sに相当する16,000,等間隔に並べられた無限個の柱に同一の現象が起こっているものとしてモデル化した.解析の結果,放射音のピーク周波数において既往の実験研究とほぼ一致する結果を得た.
要求計算機資源の低減手法の実証:ベランダ手摺子など空力騒音が問題となる物体の多くは柱状をなすことから,スパンの一部を解析した結果を用いて全スパンから放射される音の特性を推定することにより必要計算機資源を低減させる手法を考案した.本手法の妥当性を検証するために,全スパンの解析により得られた放射音圧とスパンの4分の1の解析データから全スパンからの放射音圧を推定した結果の比較を行った.両者は1/3オクターブバンド平均値でおよそ1dB以内の差で良く対応し,提案する推定手法の妥当性が示された.
計算機資源低減手法の拡張:屋外手摺子,ルーバなど柱列形状建築付帯物からの空力音放射問題においては,流入風性状が統計的に一様であれば柱列を構成する各物体の音源特性は互いに相関性を有すると考えられ,柱状物体列の一部の解析から得られる音源の物体間の相関度を用いて全物体列からの放射音圧を推定する手法の提案に向けて,物体間の変動力相関に関し検討を行った.その結果,解析を行ったケースにおいては変動力の相関距離がカルマン渦列の影響を必ずしも受けないことが明らかになった.

ID情報
  • 課題番号 : 12450231