共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2021年3月

MET exon14遺伝子変異肺癌に対する治療戦略の新展開

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
19K16813
体系的課題番号
JP19K16813
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
3,250,000円
(直接経費)
2,500,000円
(間接経費)
750,000円
資金種別
競争的資金

我々は、MET exon 14 skipping変異を有する腫瘍細胞モデルを用いて、type Iとtype II MET-TKIにそれぞれ獲得二次変異のHot spotが存在すること、さらに、これら変異はもう一方のtypeのMET-TKIに感受性が概して保持されていることを示した(Fujino et al. J Thorac Oncol 2019)。一方でtype IとII の両タイプに耐性を示しうるD1228A/Yの存在も明らかとし、これらを克服しうる薬剤の探索を行った。TRK阻害剤として開発中のDCC-2701を用いた細胞増殖阻害試験では、D1228A/Y変異に対してそれぞれIC50が80nM, 32nMと中等度の感受性を認めた。
一方で、MET exon 14 skipping変異を有する肺癌は、約半数がMET-TKIに初期耐性を示すことが報告されており、その要因についても検討した。MET exon 14 skipping変異に加えて、特定の癌関連遺伝子変異の共存がMET-TKIの感受性に関与している可能性を疑った。これらを明らかとするためにMET exon 14 skipping変異陽性の肺多形癌の外科切例における原発巣内の各コンポネート、剖検症例における各転移病巣での癌関連遺伝子の変異、コピー数の変化を遺伝子パネル検査を用いて探索・比較した。
剖検症例の各転移病巣における解析では、MET exon14 skipping変異はいずれの病巣にも共通して存在するtruncalな変異であった。一方でNF1遺伝子のframeshift変異の新規出現を一つの転移巣において認めた。同変異は、oncogenicな変異と知られており、MET-TKIの感受性に影響を与えうると考えられる。この結果は、MET-TKI投与時の奏効率を改善していく上で重要な知見であると考えられる。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K16813
ID情報
  • 課題番号 : 19K16813
  • 体系的課題番号 : JP19K16813

この研究課題の成果一覧

講演・口頭発表等

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