2008年4月 - 2009年3月
リアルタイム培養細胞解析装置を用いたがん化学療法におけるテーラーメイド医療の確立
日本学術振興会 奨励研究 奨励研究
1. 研究目的:がん化学療法におけるテーラーメイド医療の研究の多くは、遺伝子多型を解析することで、個別に対応した抗がん剤療法を行うことを目的としている。しかし、遺伝型と表現型は一致しないことがあるため、遺伝子多型解析の結果を臨床に応用できることは、現時点では稀である。従って、生体内に類似した環境で培養できる癌細胞そのものを用いる解析は、有用であると考えられる。本研究では、患者から得られた癌細胞を培養し、抗がん剤に対する感受性を、多チャンネル培養細胞解析測定装置を用いて解析するシステムを構築することを目的とした。
2. 研究方法:ヒト肝がん細胞のHepG2細胞を用いて、多チャンネル培養細胞解析測定装置による細胞増殖のモニタリングを行った。また、乳癌患者から摘出手術で得られた癌組織を細かく刻み、濃度勾配遠心法にて癌細胞を分離した。その後、ゲル素材を用いて三次元的に細胞を培養した。1週間培養後、細胞を回収し、コラーゲンコートを施したディッシュに播種し、その後20日間培養した。
3. 研究成果:多チャンネル培養細胞解析測定装置により、HepG2細胞増殖の良好なモニタリングが可能となった。そこで、乳癌患者のがん細胞について検討する前に培養法について検討した。乳癌患者から得られる組織は1cm^3程度であるが、その組織から得られる癌細胞は少量である。そのため、細胞回収日初日から解析を行うことは難しく、一旦癌細胞を培養、増殖する必要があることが判明した。乳癌患者から得られた細胞を三次元的に培養することで、乳癌細胞培養系に混入してくる線維芽細胞の増殖をある程度抑えることができた。また、その細胞を、コラーゲンコートを施したディッシュに再度播種したが、培養20日程度まで線維芽細胞の増殖を認めなかった。現在、線維芽細胞の増殖が認められ始める培養20日目ごろまでに、解析できるよう験方法を改良中である。
2. 研究方法:ヒト肝がん細胞のHepG2細胞を用いて、多チャンネル培養細胞解析測定装置による細胞増殖のモニタリングを行った。また、乳癌患者から摘出手術で得られた癌組織を細かく刻み、濃度勾配遠心法にて癌細胞を分離した。その後、ゲル素材を用いて三次元的に細胞を培養した。1週間培養後、細胞を回収し、コラーゲンコートを施したディッシュに播種し、その後20日間培養した。
3. 研究成果:多チャンネル培養細胞解析測定装置により、HepG2細胞増殖の良好なモニタリングが可能となった。そこで、乳癌患者のがん細胞について検討する前に培養法について検討した。乳癌患者から得られる組織は1cm^3程度であるが、その組織から得られる癌細胞は少量である。そのため、細胞回収日初日から解析を行うことは難しく、一旦癌細胞を培養、増殖する必要があることが判明した。乳癌患者から得られた細胞を三次元的に培養することで、乳癌細胞培養系に混入してくる線維芽細胞の増殖をある程度抑えることができた。また、その細胞を、コラーゲンコートを施したディッシュに再度播種したが、培養20日程度まで線維芽細胞の増殖を認めなかった。現在、線維芽細胞の増殖が認められ始める培養20日目ごろまでに、解析できるよう験方法を改良中である。
- ID情報
-
- 課題番号 : 20927006
- 体系的課題番号 : JP20927006