2019年 - 2022年
自己き裂治癒能力を持つ高耐食性セラミックスと金属の耐環境性に優れた異種固相接合法
日本学術振興会 科学研究費 基盤研究(C) 基盤研究(C)
純度99.8%の市販アルミナAl2O3とアルミ合金AC8Aの端面摩擦圧接に対して,接合条件が接合界面付近の微視組織に及ぼす影響を明らかにした.前年度に引き続き,今年度はFE-SEMを用いた化学組成線分析により,軸方向に沿う特定元素の分布の変化に着目した.その結果,原子拡散により相手側材料に移動していることも確認できた.更に,接合強度の高い条件では,アルミ合金が摩擦熱による固相流動化し,アルミナ側に侵入した形跡が見られ,それがアンカー効果のような働きをすることにより向上した可能性があることが分かった.更に,圧接によって生じる残留応力は接合強度にも影響を与えると考えられるため,X線回折装置によって軸方向及び円周方向の残留応力を測定した.応力バラツキの大きい結果となったが,典型的な傾向は幾つか確認することができたので,今後はラマン分光法などの別方法で測定予定である.
一方,摩擦接合時に界面付近のアルミナに生じるとされる微小亀裂対策として計画に挙げていた自己治癒機能の検証については進展があった.アルミナに治癒材としての酸化チタン(TiC)を含ませた粒材を冷間等方圧加圧(CIP)法並びにホットプレス(HP)法により加圧成形した試料に対して,予備亀裂導入し,焼鈍温度を変化させたところ,SiCを治癒材に用いる場合よりも低い温度で亀裂を自己修復できる焼鈍条件があることが分かった.この条件は,接合強度の高い条件同様,圧接時間の長い条件であるため,今後に展開に期待できる結果となった.
一方,摩擦接合時に界面付近のアルミナに生じるとされる微小亀裂対策として計画に挙げていた自己治癒機能の検証については進展があった.アルミナに治癒材としての酸化チタン(TiC)を含ませた粒材を冷間等方圧加圧(CIP)法並びにホットプレス(HP)法により加圧成形した試料に対して,予備亀裂導入し,焼鈍温度を変化させたところ,SiCを治癒材に用いる場合よりも低い温度で亀裂を自己修復できる焼鈍条件があることが分かった.この条件は,接合強度の高い条件同様,圧接時間の長い条件であるため,今後に展開に期待できる結果となった.
- ID情報
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- 課題番号 : 19K04080
- 体系的課題番号 : JP19K04080
この研究課題の成果一覧
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MISC
1-
日本機械学会北海道学生会 第49回学生員卒業研究発表講演会講演論文集 - 60-61 2020年3月
講演・口頭発表等
1-
International Conference on Materials and Processing 2022 2022年11月8日