2020年4月 - 2023年3月
圧電PVDFフィルムセンサを用いた惑星間ダスト検出器の質量独立推定法の確立
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
本年度は各所におけるCOVID-19への対策も概ね確立したことで、宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所の超高速衝突実験施設での実験は中止することなく実施でき、米国・マサチューセッツ工科大学(以下、MIT)でのレーザー微粒子加速実験についても約2年ぶりに現地に赴き共同研究を再開することができた。
国内実験においては主に2022年夏頃打ち上げ予定の多層断熱材一体型PVDFフィルム式ダスト検出器の性能較正データを取得し、フライトモデル開発状況に関する成果報告を1件行った。さらに二段式軽ガス銃における実験手法の改良として、従来は難しかった直径10ミクロンから100ミクロン程度の微粒子の単発衝突を可能とする新しい粒子射出手法を考案し、安定して5割程度の成功率を実現した。具体的には、従来から用いられている散弾方式で粒子を射出し、直径1 mm程度のスルーホールを標的であるセンサ手前に設置し、粒子を一粒だけ通過させるという単純なものであるが、粒子装填量の定量性を向上させることで成功率を飛躍的に上げることができた。
MITでの実験については、先方の所有する高速度カメラが故障により利用できなかったことや、COVID-19対策として必要な諸手続きのため入構まで数日を要したことなど、実験を行う上で大きな制約は受けたが、レーザー微粒子加速装置を用いた一連の実験系の再構築と有効なノイズ低減策を考案し、次回以降のダスト検出器の較正データ取得に必要な予備的作業を概ね完了することができた。
国内実験においては主に2022年夏頃打ち上げ予定の多層断熱材一体型PVDFフィルム式ダスト検出器の性能較正データを取得し、フライトモデル開発状況に関する成果報告を1件行った。さらに二段式軽ガス銃における実験手法の改良として、従来は難しかった直径10ミクロンから100ミクロン程度の微粒子の単発衝突を可能とする新しい粒子射出手法を考案し、安定して5割程度の成功率を実現した。具体的には、従来から用いられている散弾方式で粒子を射出し、直径1 mm程度のスルーホールを標的であるセンサ手前に設置し、粒子を一粒だけ通過させるという単純なものであるが、粒子装填量の定量性を向上させることで成功率を飛躍的に上げることができた。
MITでの実験については、先方の所有する高速度カメラが故障により利用できなかったことや、COVID-19対策として必要な諸手続きのため入構まで数日を要したことなど、実験を行う上で大きな制約は受けたが、レーザー微粒子加速装置を用いた一連の実験系の再構築と有効なノイズ低減策を考案し、次回以降のダスト検出器の較正データ取得に必要な予備的作業を概ね完了することができた。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K14493
- 体系的課題番号 : JP20K14493