2019年4月 - 2023年3月
情報伝達の経済理論・実験分析と国際研究ネットワーク形成
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
2019年度は国内ワークショプは予定通り開催できたものの、当該年度に計画されていた2件の海外研究者招聘によるワークショップ開催は、1件は招聘研究者の家庭の事情により、もう1件は新型コロナウィルスの影響により中止となり、更に2020年度においても旅行制限により招聘を実施することができなかった。そこで2021年度から海外在住の研究者によるオンライン研究会を定期開催し、合わせてインフォーマルな研究交流の機会を設けた。その結果、研究代表者や研究分担者の研究に資する、多くのフィードバックを得ることができた。
<BR>
こうしたフィードバックをもとに、研究代表者はメディアとオンラインテクノロジーの動学チープトーク分析を深化させ、新たな厚生分析を加えることで、オンラインニュースへのアクセスのコストが(ネットニュースの充実等により)低くなるほど、ニュース記事の情報の信頼性が低下し、読者の厚生が低下する可能性を示した。また、逐次的コンサルテーションのチープトークモデルに取り組み、情報の受け手が複数の専門家を逐次的に訪れる際には、その訪問順序をランダムにすることにコミットすることにより、専門家同士の利害による情報の操作を抑え、結果として情報の受け手はより多くの情報を得られることを示した。
<BR>
この間の研究分担者による研究成果としては、コロナウイルスのような特異な現象が発生した際に政府が情報を秘匿する要因の研究、組織におけるメンバーの退出と発言の相互作用についての研究、インフォーマルな権限委譲(エンパワメント)が部下からの情報伝達を阻害する状況についての研究、チープトークゲームにおいて金銭授受の可能性があれば支払条件等にコミットでき「なくても」均衡における情報伝達量を増やすことを示す研究、が挙げられる。
<BR>
こうしたフィードバックをもとに、研究代表者はメディアとオンラインテクノロジーの動学チープトーク分析を深化させ、新たな厚生分析を加えることで、オンラインニュースへのアクセスのコストが(ネットニュースの充実等により)低くなるほど、ニュース記事の情報の信頼性が低下し、読者の厚生が低下する可能性を示した。また、逐次的コンサルテーションのチープトークモデルに取り組み、情報の受け手が複数の専門家を逐次的に訪れる際には、その訪問順序をランダムにすることにコミットすることにより、専門家同士の利害による情報の操作を抑え、結果として情報の受け手はより多くの情報を得られることを示した。
<BR>
この間の研究分担者による研究成果としては、コロナウイルスのような特異な現象が発生した際に政府が情報を秘匿する要因の研究、組織におけるメンバーの退出と発言の相互作用についての研究、インフォーマルな権限委譲(エンパワメント)が部下からの情報伝達を阻害する状況についての研究、チープトークゲームにおいて金銭授受の可能性があれば支払条件等にコミットでき「なくても」均衡における情報伝達量を増やすことを示す研究、が挙げられる。
- ID情報
-
- 課題番号 : 19H01471
- 体系的課題番号 : JP19H01471
この研究課題の成果一覧
絞り込み
論文
2-
Theoretical Economics 18(1) 267-301 2023年1月 査読有り
-
SSRN 4179251 2022年6月