2016年4月 - 2020年3月
質的調査手法に依拠した映像利用に基づく統合型コミュニケーション・デザイン研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C) デザイン学
平成30年度は,①リサーチメソッド,そして,②コンテンツデザイン,という2つの観点から映像を捉え,それらを統合した映像デザインに関する実証研究を主に行った。フィールドは本研究着手時より継続的に調査を行っている岡山市東区犬島である。人口減少と島民の高齢化に直面する中,これまで①の作業として,失われつつある島の文化や歴史の映像・音声記録を行うことを重要視してきたが,平成30年度は現地取材と並行して,記録済みインタビュー映像の文字おこしと字幕貼り付け作業を行うことで島のオーラルヒストリーの保存に努め,実証研究の素材とした。またデジタル保存されたインタビュー内容にタグ付けを行い,データ検索やテーマ別再編集の余地を残した。②に関しては,当初より島の価値を伝える手段としてドキュメンタリーやPR映像等の制作を想定してきた。しかし映像とデザイン活動の新しい関係を考察するために,平成30年度は①と②の統合を目指し,映像視聴を軸とした多様な人間がコミュニケーションを行う場のデザインを想定した「いぬじまカタログ」の制作をすすめた。ここでは犬島そのものを,日常を見つめるためのカタログと位置付け,各々が持つべき選択の指標となる「価値観」を体感できる映像コンテンツと上映空間を設計した。犬島の旧中学校校舎を利用したスペースで上映される映像は「あ(=あかり)」「い(=いす)」「う(=売り買い)」等をテーマとする短尺映像コンテンツであり,タイトルとして出される50音は生活を見つめなおすための言葉に繋がる仕掛けである。島民主催の祭と合わせて実施したプロジェクトであったため,島内外から視聴者があり,一定の評価を得た。なお,平成29年度までの成果をまとめた論文とプロジェクトの記録を映像にまとめたものをフランスで開催された国際デザイン教育学会 CUMULUS CONFERENCE 2018 PARISにて発表した。
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- ID情報
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- 課題番号 : 16K00706
- 体系的課題番号 : JP16K00706
この研究課題の成果一覧
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MISC
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日本デザイン学会研究発表大会概要集 (67) 300-301 2020年8月 筆頭著者
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基盤研究(C)研究成果報告書 1-48 2020年3月 筆頭著者責任著者
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日本デザイン学会研究発表大会概要集 (64) 56-57 2017年6月
Works(作品等)
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2019年10月26日 - 2019年11月4日 その他
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2019年10月26日 - 2019年11月4日 その他
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2018年11月 - 2018年11月 その他
学術貢献活動
1メディア報道
1-
山陽新聞 山陽新聞 2020年2月 新聞・雑誌