2021年4月 - 2025年3月
モアレ超格子によるスピン・バレー利用型量子素子の開発と物性制御
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本研究課題では、スピンおよびバレー自由度を利用する新奇原理で動作する素子の開発を目的としている。これを実現するために、二層グラフェン/六方晶窒化ホウ素(hBN)モアレ超格子を基礎とした、量子ドット複合構造デバイスの設計・作製に取り組んでいる。
初年度は実験条件の最適化および測定装置の立ち上げに注力した。デバイス作製プロセスにおいて、電子線リソグラフィ、プラズマエッチング、電子線蒸着等の条件出しを行った。バブルフリー転写法により作製した二層グラフェン/hBNモアレ超格子構造を加工し、グラファイトバックゲートおよびデュアルゲート型ホールバーデバイスを作製した。グラファイトバックゲート型デバイスには、コンタクト電極とグラファイトの位置とずらすことで、リークを防止する構造を採用した。また、ホールバー作製後にhBNを追加で転写することにより、トップゲート-チャネル間のリークを防ぐことに成功した。
トップゲートとバックゲートを同時に調整することにより、キャリア密度と垂直電場を独立に制御可能な二層グラフェン/hBNモアレ超格子デバイスを実現した。このデバイスでは、低温、強磁場下において量子ホール効果(ホフスタッタ―の蝶)を観測できており、モアレ超格子特有の輸送特性の垂直電場、キャリア密度依存性を詳細に調べることが可能となった。現在は電荷中性点およびサテライト点近傍の温度、電場、磁場、キャリア密度依存性を調べ、解析を進めている。
初年度は実験条件の最適化および測定装置の立ち上げに注力した。デバイス作製プロセスにおいて、電子線リソグラフィ、プラズマエッチング、電子線蒸着等の条件出しを行った。バブルフリー転写法により作製した二層グラフェン/hBNモアレ超格子構造を加工し、グラファイトバックゲートおよびデュアルゲート型ホールバーデバイスを作製した。グラファイトバックゲート型デバイスには、コンタクト電極とグラファイトの位置とずらすことで、リークを防止する構造を採用した。また、ホールバー作製後にhBNを追加で転写することにより、トップゲート-チャネル間のリークを防ぐことに成功した。
トップゲートとバックゲートを同時に調整することにより、キャリア密度と垂直電場を独立に制御可能な二層グラフェン/hBNモアレ超格子デバイスを実現した。このデバイスでは、低温、強磁場下において量子ホール効果(ホフスタッタ―の蝶)を観測できており、モアレ超格子特有の輸送特性の垂直電場、キャリア密度依存性を詳細に調べることが可能となった。現在は電荷中性点およびサテライト点近傍の温度、電場、磁場、キャリア密度依存性を調べ、解析を進めている。
- ID情報
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- 課題番号 : 21H01400
- 体系的課題番号 : JP21H01400
この研究課題の成果一覧
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論文
2-
Physical Review B 106(16) 2022年10月31日 査読有り筆頭著者責任著者
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Scientific Reports 11(1) 18845-18845 2021年12月 査読有り筆頭著者責任著者