共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2023年3月

大気-海洋間の運動量・ガス交換機構の統合的モデル化とその地球環境工学的応用

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
19H02249
体系的課題番号
JP19H02249
配分額
(総額)
15,860,000円
(直接経費)
12,200,000円
(間接経費)
3,660,000円

初年度は,中型風洞水槽において風波界面の画像撮影,表面流速,風速分布,波高,周期等の測定を行った(表面流速の測定は回流式小型風洞水槽においても実施された).各風速条件における風波界面の遷移の様子を詳細に観察し,砕波の発生する風速条件について検討した.風波界面での運動量交換の指標となる海面抵抗係数と風波レイノルズ数との関係において,砕波発生付近でその挙動が変化することを確認した.また,気流側摩擦速度に対する表面流速および水表面ストークスドリフト流速の関係では,どちらの物理量も砕波発生付近においてデータの傾きが変化することを見い出した.これらの挙動の変化は,砕波の発生により,吹送流や風波に注入されていた運動量が砕波乱流や気泡・飛沫の生成に使われるようになるためであると考えられる.大型風洞水槽の稼働試験および計測技術の検証実験を実施した.その結果,大型風洞水槽中において風速20メートルの高風速状態を30分以上維持できることを確認した.また,大型風洞水槽において,風波界面のビデオカメラ撮影を実施し,波面画像解析の要素技術に関する検討を行った.
気液界面の乱流素過程を調べるために,より単純な流れ系である開水路乱流場を対象とした検討を行った.界面せん断応力が作用するケースの直接数値シミュレーション(DNS)および代表的なRANSである標準k-epsilonモデルによる数値解析を行い,吹送乱流場の平均主流速,乱れエネルギー,エネルギー散逸率の鉛直分布および界面乱流の特性について示した.また,シンプルな水表面減衰関数を導入した等方型乱流モデルによる吹送乱流場や界面近傍の乱流場の再現性について有用な知見を得ることができた.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19H02249
ID情報
  • 課題番号 : 19H02249
  • 体系的課題番号 : JP19H02249