2022年
Superchargeを付加した腹直筋皮弁を用いた乳房再建
滋賀医大雑誌
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- 巻
- 35
- 号
- 1
- 開始ページ
- 1
- 終了ページ
- 6
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 滋賀医科大学雑誌刊行会
2013年以降、乳がん全摘後に保険適応となった人工ゲル充填乳房を用いた乳房再建術のまれな合併症として、T細胞型非ホジキンリンパ腫が報告され、同タイプの人工ゲル充填乳房は使用できなくなった。これを受けて、当院では自家組織を用いた乳房再建の症例が増加している。ボリュームのある乳房の場合、腹部を用いた有茎腹直筋皮弁、遊離皮弁が選択されることが多い。有茎皮弁では上腹壁動静脈を血管茎とするが、腹直筋の血行は深下腹壁動静脈優位のため血行が不十分と考えられる硬結が術後に生じることがある。これを改善するため、当科では可能な限り深下腹壁動静脈を胸部のレシピエント血管に吻合してsuperchargeを行い、血行の増強に努めている。遊離皮弁と異なり、皮弁の自由度が制限されるため血管吻合がやや困難であるが、術後は柔らかい乳房が再現されることが期待できる。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 0912-3016
- 医中誌Web ID : 2022047852