2021年4月 - 2022年3月
窒化アルミニウム基エピタキシャル薄膜を用いた強誘電性サイズ効果の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
- 課題番号
- 21H01617
- 体系的課題番号
- JP21H01617
- 担当区分
- 研究分担者
- 配分額
-
- (総額)
- 17,550,000円
- (直接経費)
- 13,500,000円
- (間接経費)
- 4,050,000円
AlN[(Al,Sc)N]は、六方晶の対象中心の無いウルツ鉱構造を有し、膜厚300nmの分極軸であるc軸一軸配向膜について、強誘電性が実験的に確認された。研究代表者は、この強誘電性の発現起源の違いがサイズ効果と深く関係しており、強誘電性の起源がHfO2に近い蛍石構造やウルツ鉱構造強誘電体では、サイズ効果はほとんど観察されないと考えている。本研究の目的は、巨大強誘電性を有するAlN基エピタキシャル膜を作成し、その巨大強誘電性の詳細な解析を行うことで、“サイズ効果”の起源を解明することである。本研究では、スパッタ法により(Al,Sc)N膜および(Ga,Sc)N膜を作製し、その強誘電性を調査した。
(Al,Sc)N膜について、Pt/ScGaN/Pt構造をスパッタリング法等によって種々の膜厚で作製し、強誘電性の温度依存性を評価した。その結果、温度を上昇させると抗電界が低下し、分極反転することができる十分な電界印加が可能になった。さらに膜厚が9nmまで、残留分極値は本質的には低下しないことが明らかになった。一方、抗電界は膜厚が低下すると上昇することが明らかになった。
(Ga,Sc)Nについては、Pt/ScGaN/Hf構造をスパッタリング法等によって作製し、強誘電性を評価した。圧電反応の符号反転とともにヒステリシスをもつP-E特性が観察され、(Ga,Sc)Nが強誘電性を示すことが実測で明らかになった。また、このときの残留分極は100μC/cm2以上で(Al,Sc)Nと同等であった。
(Al,Sc)N膜について、Pt/ScGaN/Pt構造をスパッタリング法等によって種々の膜厚で作製し、強誘電性の温度依存性を評価した。その結果、温度を上昇させると抗電界が低下し、分極反転することができる十分な電界印加が可能になった。さらに膜厚が9nmまで、残留分極値は本質的には低下しないことが明らかになった。一方、抗電界は膜厚が低下すると上昇することが明らかになった。
(Ga,Sc)Nについては、Pt/ScGaN/Hf構造をスパッタリング法等によって作製し、強誘電性を評価した。圧電反応の符号反転とともにヒステリシスをもつP-E特性が観察され、(Ga,Sc)Nが強誘電性を示すことが実測で明らかになった。また、このときの残留分極は100μC/cm2以上で(Al,Sc)Nと同等であった。
- ID情報
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- 課題番号 : 21H01617
- 体系的課題番号 : JP21H01617