共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

従業員の自発的行動を促す人間関係要因の実証研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
18K12840
配分額
(総額)
3,380,000円
(直接経費)
2,600,000円
(間接経費)
780,000円

本研究は,自発性の高い従業員がしばしば日常生活と未分離の認識で行う業務上規定されない活動を自発的非正規行動と定義し,その程度の量的把握と人間関係要因との関係を明らかにすることを目的に掲げている.経験サンプリング法を用いて自発的非正規行動の量的把握を行うことが本研究のチャレンジングな点である.本年度は,まずは経験サンプリング法の質問項目となる具体的行動を把握するするために,1.文献調査,調査対象候補者への2.インタビュー,3.質問紙調査を実施した.
1.文献調査の目的は自発的非正規行動に関連する既存の概念と具体的行動をリストアップすることである.組織市民行動と経営革新行動,シャドーワーク,社会貢献活動,キャリア自律行動,副業・兼業等の文献を幅広くレビューし23項目の具体的行動をリストアップした.なお,文献調査から,自発的非正規行動を行う傾向は年齢により大きな違いがあることが予想され,本研究では働き方の多様化の中で多くの選択肢を持ちうる 20代,30代の若手社員を対象にすることとした.
2.インタビューの目的は文献調査から抽出した具体的行動のリストの網羅性をチェックすることである.7名の若手社員に具体的行動のリストを提示し,不足がないかを尋ねた.追加すべき行動がいくつか挙げられたものの,準備したリストは十分に網羅性があることが示された.
3.質問紙調査は,23項目の具体的行動の背景にある因子を探り,自発的非正規行動の構造を理解することが目的である.70名の若手社員を対象に,質問紙を用いてそれぞれの具体的行動への意欲を尋ねた.さらに因子分析を行い,7つの因子を得た.また質問紙調査では,パフォーマンス指標として組織コミットメントを尋ねており,7つの因子との関係の分析を行った.
以上の研究の成果については2019年6月に実施される春季経営情報学会全国大会での発表が確定している.

ID情報
  • 課題番号 : 18K12840