論文

査読有り
2015年6月

培養歯肉線維芽細胞におけるクリプトタンシノンによる炎症関連分子の産生抑制効果

日本歯科保存学雑誌
  • 成石 浩司
  • ,
  • 梶浦 由加里
  • ,
  • 西川 泰史
  • ,
  • 板東 美香
  • ,
  • 木戸 淳一
  • ,
  • 永田 俊彦

Vol.58
No.3
開始ページ
212
終了ページ
218
記述言語
日本語
掲載種別
研究論文(学術雑誌)
DOI
10.11471/shikahozon.58.212

目的 : 漢方薬 (生薬) タンジンの主成分であるクリプトタンシノンは, 抗がん作用や抗炎症作用をもつことが知られている. しかしながら, クリプトタンシノンが歯周組織の炎症に対してどのような影響を及ぼすのかは不明である. 本研究の目的は, 歯肉線維芽細胞を標的として, その炎症関連分子の産生に及ぼすクリプトタンシノンの影響を調べることである. 方法 : 細胞は歯肉線維芽細胞CRL-2014TM (ATCC) を用いた. クリプトタンシノンの濃度依存的な細胞障害作用の有無は, トリパンブルー染色法を用いて各濃度間における生細胞率の差を比較検討して評価した. 歯肉線維芽細胞のサイトカイン産生は, 市販のELISAキットを用いて, インターロイキン (IL) -1βで細胞を24時間刺激した後のIL-6およびVEGF産生量を測定して検討した. 一方, タンパク質分解酵素カテプシンLの産生は, IL-1βで細胞を24時間刺激した後に回収した全細胞タンパク質を用いて, ウエスタンブロット法によって検討した. なお, クリプトタンシノンはIL-1β添加の1時間前に細胞培養系に添加した. 各群における差異は, ANOVA Tukey-KramerのHSD検定によって有意差を検討した. 結果 : クリプトタンシノンは, 10μmol/lまでは歯肉線維芽細胞の生細胞率に影響は与えないが, 100μmol/lでは有意に生細胞率を低下させた. また, 歯肉線維芽細胞におけるIL-1β誘導性のIL-6産生およびカテプシンL産生は, 10μmol/lクリプトタンシノンの添加によって著明に減少した. 一方, IL-1β誘導性のVEGF産生は, クリプトタンシノンの添加によっても変化しなかった. 結論 : クリプトタンシノンは, 歯肉線維芽細胞におけるIL-1β誘導性IL-6およびカテプシンLの産生を抑制することで, 歯周組織の炎症を抑制する可能性が示唆された.

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.11471/shikahozon.58.212
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/130005086794
URL
http://ci.nii.ac.jp/naid/130005086794/