研究ブログ

2019/01/06

地球温暖化により揺れる浮遊列島(1)

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地球温暖化により激増する巨大地震発生メカニズムと対策


第1回 揺れ動く浮遊列島
 

 2018年は大阪府北部地震6月18や北海道胆振東部地震(9月6日)による大規模な地震災害が相次いだ。20113月東日本大震災や20164月熊本地震など、近年国内で巨大地震災害が多発化している原因は、地球温暖化により日本列島の地殻変動が活発化しているからである。
 図1は、
地球温暖化による日本列島不安定化のメカニズムを示す(気象庁HP掲載図を編集)。高緯度地域や極域の氷河や永久凍土が融解すると、真水が海に流入し水位が上昇する。増水した海により日本列島の浮力が増すと共に、荷重が地下のマントルを加圧するため流動性のあるマントルが出口を求めて火山列島に向かう。その結果、日本列島の地殻が隆起し火山活動も活発化するのである。
 また、温暖化により海水温が上昇すると海水の体積が膨張し水位がさらに上昇する。地球温暖化により増大する海水の浮力とマントル圧により日本列島は不安定化するのである。

 図2は、IPCCレポート(5th)から引用した1930年以降の世界の平均海面水位の変化と、日本周辺の水位の変化(気象庁)を示す。1986年頃までは世界の海面水位が上昇したにも関わらず、日本近海の水位は下降した。したがって、日本の地盤が隆起したことが分かる。
 一方、1986年以降は日本近海の水位も世界の水位と同様に上昇し、日本列島周辺を震源とする地震の多発化が顕著となった(第2回掲載予定)。日本列島周辺はあたかも鍋で湯をゆっくりと沸かす加熱プロセスのように、水圏の循環運動も地殻変動も地球温暖化に伴い熱運動が活発化しているため、地盤が揺れ動きやすくなったのである(3)。

 
  図1  海面水位上昇と日本列島の不安定化            世界と日本の海面水位の変化 

        
         図3  地球温暖化による地震多発化モデル

 

 図4は、関西国際空港が高潮で水没し、大阪湾沿岸部にも甚大な暴風被害をもたらした強烈な台風21号の進路に沿って発生した各地の高潮と暴風、地震の記録を示す。北上する巨大台風に揺さぶられて地震の震源地も北上し、95日に北海道に最接近し通過した直後に胆振東部を震源とする大地震が発生した。
 5に示すように胆振地方にも本州にも近い函館の地盤は、2011年の東北地方太平洋沖地震以降隆起し続けており不安定化していたことが分かる。

 

  図4   2018年9月4日から6日に発生した地震と台風21号の通過時刻、観測史上最大風速、潮位

    
 図5  北海道4地点の海面水位(破線は観測値,実線は補正値)と地盤上下変動(棒グラフ)の推移

 地球温暖化のペースは毎年加速しており、今後も巨大地震の発生頻度が増すと予測される。また、東日本大震災級の巨大地震の発生周期も極端に短縮され、再発リスクが高まると危惧される。


  

 








 



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2018/08/29

ソーラーシェアリングによるサツマイモ生産効率

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ソーラーシェアリングにおけるサツマイモの光合成効率

 ソーラーパネル間やパネルの下で農業を行う方法をソーラーシェアリングと呼びます。ソーラーシェアでは畑の全面積あたりのパネルの影になる部分の面積(遮光率)が3割~5割程度なら、いろいろな作物を生産することができます。
 サツマイモは光飽和点が快晴時の太陽光の3割~4割ほどです。露地栽培では、晴天時の太陽光を半分以上無駄にしています。したがって、ソーラーシェアリングで袋やポットを並べるストレス栽培法を行うと、通常の畝栽培の半分ほどの太陽光でも2倍量の芋を生産することもできます。

【解説】
サツマイモの光合成効率は、およそ年3%に達します(通年ストレス栽培の場合)。
これは森林の40倍の高い光合成効率です。
 
日本の山林面積  2500万haの年間日射量=約 13億TJ
山林の年間増大量   9000万㎥×10GJ/㎥=約 9億GJ
山林の光合成効率  9億GJ ÷ 13億TJ = 約0.07% ・・・サツマイモの40分の1

 
図1 各種植物の光強度と生長速度の概要   図2  ソーラーパネル間やパネル下で栽培したサツマイモ
 
図3 ソーラーパネル間やパネル下で栽培したサツマイモの配置と、実際の採光率と生産性の比較
  (実験協力:日本毛織株式会社)


 
図4 太陽光を無駄なく使い光合成効率を高める空中栽培法
 
(H30年度日本エネルギー学会大会研究発表)



15:46 | Impressed! | Voted(0) | Comment(0) | テクノロジー
2018/05/13

加速する温暖化ペース

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地球温暖化を加速する新興国の経済成長

大気のCO2濃度の上昇速度が加速しています(1)
2017
年の地球の平均気温は2016年より下回りました(2)が,海水温は昇しました(3)。
一方、降水量も増大しました(4)。
降水量と海水温の影響を考慮し気温を補正すると,
現在の地球の平均気温は14年毎に1の上昇ペースであることが分かります(5)。


 図1 全球のCO2濃度の月平均値の推移(気象庁)


 図2 地球の平均気温の推移(気象庁)     図3 地球の表層海水温(700m深)の推移(気象庁)


 図4 地球の降水量の推移(気象庁)        図5 降水量と海水温を考慮した気温の推移


 図6 主要国の電力消費量の推移(1990年比)    7 主要国の実質GDPの推移(1990年比)

このように地球温暖化抑制効果を示すデータはどこにも見当たらず,再生可能エネルギーの普及効果以上に,新興国の経済成長による化石燃料消費の増加速度が上回っているのが現状です(図6, 7)。そしてその主因は,先進諸国が新エネ産業設備を含む各種工業製品の製造工程を,人件費や原材料費や燃料費が格安の新興国に委ねてきたからです。

現在,中国は世界最大の石炭消費国であると共に,総産出量の半分を占める最大の産出国です。その中国はこのところアフリカ諸国の産業発展と市場開拓のために積極的に投資や支援を行っています。先進諸国向けの工業製品の大量生産が中国の経済発展と石炭消費の急拡大をもたらしたように,中国は自国の経済成長のために低コストの製造工程をアフリカ諸国に委ね,アフリカを新たな石炭消費大陸へと変貌させようとしています。

化石燃料を全量代替することができる燃料作物の大量生産技術を普及しなければ、地球温暖化を止めることは不可能です。日本に最適な燃料作物はサツマイモです。
(化学装置 平成306月号より)

 

 



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2016/06/12

イモエネルギー 紀の川スマートファーム 苗植

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サツマイモの大量生産技術開発ニュース 2016

紀の川実験農場のサツマイモ苗の定植作業の様子
日 程: 平成28年5月17日(火)
場 所: 和歌山県紀の川市 
主 催: 紀の川スマートファーム協議会
参加者:  紀の川スマートファーム協議会の皆さんと鈴木研究室の学生たち
目 的: CO2排出ゼロ社会の実現を目指し、イモエネルギーの大量栽培研究に取組ん
でいます。今年は、単層単作でサツマイモの収量 10kg/㎡(全国平均の約4倍)生産を
目指します。

【解説】 年間20kg/㎡(総バイオマス量 150MJ/㎡)を生産する方法を普及すると、日本の化石燃料を
全量代替するために必要な燃料作物を国土の21%の面積で毎年生産することができます。
現在、日本が毎年輸入する石油・石炭・天然ガス総量は1900万TJです。
将来的には、1200万TJ分のイモを生産すれば、水力や風力や太陽光など他の自然エネルギーと組み
合わせ、化石燃料を全量代替することが可能です。
サツマイモは日本が国産できる唯一の化石燃料全量代替候補です。


 
  圃場を15cm程度掘削               ブルーシートを敷設

  
           苗の植付(紅アズマ、水軒金時)

近畿大学
生物理工学部生物工学科
鈴木 高広

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