2011年2月
恒久的右室ペーシング治療により難治性右心不全から脱却できた徐脈性心房細動の1例
日本心臓病学会誌
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- 巻
- 6
- 号
- 1
- 開始ページ
- 81
- 終了ページ
- 86
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (一社)日本心臓病学会
59歳男。労作時呼吸困難を主訴とした。17年前に心房中隔欠損症に対する閉鎖術の手術歴があり、入院時の心電図では心拍数50拍/分、心房波消失、完全房室ブロック、右脚ブロック型補充調律を呈した。心臓超音波検査にて左室駆出率は54%で両心房の拡大、右室拡大を伴う心室中隔の左方シフトと奇異性運動、重度の三尖弁逆流及び僧帽弁逆流を認め、右心カテーテル検査では肺高血圧および両心房圧の上昇を認めた。右心不全と診断して利尿剤を投与したが、効果は乏しく、試験的右室ペーシングで心拍数の増加による肺動脈圧低下と心拍出量増加がみられたため、病態態改善に徐脈治療が有効と判断して恒久的VVIペースメーカー埋め込み術を行った。心拍数70拍/分のペーシング治療によって速やかに心不全症状は軽減し、慢性期には心機能および心形態の著明な改善が認められた。