2018年10月 - 2022年3月
トルコにおける家畜バベシア症に対するゲノム疫学調査と実践的制御戦略の確立
日本学術振興会 科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B)) 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
バベシア原虫はマダニにより媒介される住血寄生虫である。家畜に重度の貧血・黄疸を主徴とする致死的感染症を引き起こし、地球規模で畜産業の脅威となっている。家畜バベシア症の制御には「バベシア原虫がいつ、どのようにある地域に定着し、そしてどのように周辺地域に拡散して行くのか?」という核心的問題点に対し、その流行実態をグローバルかつ時空間的な視点により解明し、さらにその地で今現在流行している原虫株に適した「オーダーメイド」な制御対策を講じる必要がある。本研究では、古来よりアジア・ヨーロッパ・中東などの家畜交易中継地として知られるトルコに着目した。当国における遺伝的に多様な原虫集団を対象とし、ゲノム疫学的手法に基づく家畜バベシア症の流行実態の解明と、ゲノム情報に立脚した現地即応型のバベシア症制御戦略の構築を目指す。当該年度に得られた研究成果は、下記の通りである。
1)トルコ中部地域(Konya州)における家畜のバベシア症の疫学調査を実施した。
2)複数の畜産農家を選定し、マダニとマダニ媒介感染症の被害に関する聞き取り調査を実施した。
3)牛・羊の血液サンプルを採集し、顕微鏡によるバベシア原虫の寄生状況を調べたところ、赤血球内寄生原虫が観察された。
4)血液サンプルよりDNAを抽出し、マダニ媒介病原体を検査したところ、牛バベシア(B. bovis、B. bigemina)と羊バベシア(B. ovis)が高頻度で検出された。
1)トルコ中部地域(Konya州)における家畜のバベシア症の疫学調査を実施した。
2)複数の畜産農家を選定し、マダニとマダニ媒介感染症の被害に関する聞き取り調査を実施した。
3)牛・羊の血液サンプルを採集し、顕微鏡によるバベシア原虫の寄生状況を調べたところ、赤血球内寄生原虫が観察された。
4)血液サンプルよりDNAを抽出し、マダニ媒介病原体を検査したところ、牛バベシア(B. bovis、B. bigemina)と羊バベシア(B. ovis)が高頻度で検出された。
- ID情報
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- 課題番号 : 18KK0188
- 体系的課題番号 : JP18KK0188