2020年
光音響イメージングを用いた皮膚光老化の定量的な評価法の基礎的検討
生体医工学
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- 巻
- 58
- 号
- 0
- 開始ページ
- 434
- 終了ページ
- 434
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11239/jsmbe.Annual58.434
- 出版者・発行元
- 公益社団法人 日本生体医工学会
<p>太陽からの紫外線照射による光老化は,加齢による皮膚老化を急激に加速させるのみならず,皮膚癌の前駆症状が現れやすくなると言われており,早期診断が重要である.現在,皮膚組織の状態評価には主に摘出した皮膚切片に対する病理組織学的診断が行われているが,侵襲的であり,摘出した皮膚には代謝機能がないため長期的にモニタリングすることができない.近年,OCT(Optical coherent tomography)やSHG(Second harmonic generation)など光を用いた技術による非侵襲的な評価がなされているが,生体の強い散乱特性により深達度に欠ける.そこで,光の利点である高い組織特異性と超音波の利点である高い到達深度をあわせ持つ光音響イメージングにより,非侵襲で定量的に光老化の進行度を評価することを検討した.真皮層の組織性状の継続的計測により,光老化のメカニズムの解明や早期診断につながると考えられる.これまでの検討では,主にブタ皮膚試料を用いた検討により提案手法の有用性を示してきたが,ヒトの皮膚に対してはほとんど検討されていない.そこで本研究では,可視光領域の波長において,ヒト皮膚切片(28~95歳の4名の女性,頬部と臀部,厚さ25 μm)を用いて光老化の進行度と光音響信号強度の関係を調べた.その結果,光老化の進行に伴い,真皮上層からの信号強度が有意に増強されることが明らかとなった.これらの解析をとおし,定量的な皮膚老化評価の実現可能性を実証した.</p>
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11239/jsmbe.Annual58.434
- ISSN : 1347-443X
- CiNii Articles ID : 130007885150