MISC

2014年8月31日

森林集水域における窒素循環研究の今日的な課題とそれに対するストラテジー

日本水文科学会誌
  • 大手信人
  • ,
  • 磯部一夫
  • ,
  • 徳地直子

44
3
開始ページ
135
終了ページ
145
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.4145/jahs.44.135
出版者・発行元
THE JAPANESE ASSOCIATION OF HYDOROLOGICAL SCIENCES

産業革命以降,人為起源のbioavailableな窒素の供給がかつてないレベルに増加した結果,森林では窒素飽和現象が1980年代から報告され始めた。これまで生物地球化学的な側面からこの現象のメカニズムの解明が進められてきたが,集水域レベルでの窒素の現存量や内部循環のフローは,集水域の地理的な特性ごとに極めて多様で,系全体のレスポンスは決して一様ではなかった。この課題に対して,今後展開すべきアプローチの一つとして,窒素の形態変化を左右する微生物群集の動態の記述から,今まで見てきた「生物地球化学的反応」を再解釈することを提案する。近年,急速に発展した軽元素の安定同位体比の測定技術と,機能遺伝子によって正確に目的とする微生物群を絞り込める遺伝子解析技術を組み合わせて利用することで,反応の時空間的な非均質性や環境変化に対する非線形な応答の仕組みを明らかにすることができるのではないだろうか。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.4145/jahs.44.135
J-GLOBAL
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201402200040223542
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/130004706594
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA11123427
ID情報
  • DOI : 10.4145/jahs.44.135
  • ISSN : 1342-9612
  • J-Global ID : 201402200040223542
  • CiNii Articles ID : 130004706594
  • CiNii Books ID : AA11123427

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