2016年4月 - 2018年3月
宇宙生活での健康リスク低減を目指した運動による生体恒常性の頑健性獲得機構の解明
文部科学省 新学術領域(領域提案型) 新学術領域研究(研究領域提案型)
心臓は、生体の栄養及び酸素需要に応じてその機能を亢進・抑制し、無駄のない血液循環を達成している。ひとたび血液需要が高まれば心臓のポンプ機能を亢進させ、多くの血液を全身に供給するため心臓は筋組織が増大し肥大する。一方で、血液需要が低下すれば、筋組織量も低下し心臓は委縮する。宇宙空間においては、微小重力の影響により、血行動態が地上に比べて低下し、心臓の萎縮が起こることが知られている。
我々は、これまでに心臓に血行力学的負荷を与えたマウスモデルを使用することで、どのようなメカニズムが機械的ストレスにより活性化し、ストレス慢性化により引き起こされる心機能低下を伴う心臓の構造的変化(心臓リモデリング)が誘導されるのかを研究してきた。これまでの研究から、機械的ストレス負荷による心臓リモデリングには、異常なカルシウムシグナルと活性酸素種(ROS)の産生がクリティカルであることが明らかにされてきた。しかしながら、それら二つのシグナル経路がどのように相互作用あるいは集約し、心臓リモデリングが導かれるのかは明らかにされていなかった。我々は、心臓に多く発現する非選択的カチオンチャネルcanonical transient receptor potential 3 (TRPC3) がROS産生酵素であるNADPH oxidase 2 (Nox2)と密接に連携し、機械的ストレスに曝された心臓におけるROSの過剰生成に重要な役割を果たすことを明らかにした。さらに、このメカニズムは機械的ストレスだけでなく、様々な環境ストレスにおいて、心臓リモデリングを導く共通のメカニズムであることを明らかにした。
我々は、これまでに心臓に血行力学的負荷を与えたマウスモデルを使用することで、どのようなメカニズムが機械的ストレスにより活性化し、ストレス慢性化により引き起こされる心機能低下を伴う心臓の構造的変化(心臓リモデリング)が誘導されるのかを研究してきた。これまでの研究から、機械的ストレス負荷による心臓リモデリングには、異常なカルシウムシグナルと活性酸素種(ROS)の産生がクリティカルであることが明らかにされてきた。しかしながら、それら二つのシグナル経路がどのように相互作用あるいは集約し、心臓リモデリングが導かれるのかは明らかにされていなかった。我々は、心臓に多く発現する非選択的カチオンチャネルcanonical transient receptor potential 3 (TRPC3) がROS産生酵素であるNADPH oxidase 2 (Nox2)と密接に連携し、機械的ストレスに曝された心臓におけるROSの過剰生成に重要な役割を果たすことを明らかにした。さらに、このメカニズムは機械的ストレスだけでなく、様々な環境ストレスにおいて、心臓リモデリングを導く共通のメカニズムであることを明らかにした。
- ID情報
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- 課題番号 : 16H01656
- 体系的課題番号 : JP16H01656