共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

出入国在留管理制度の歴史的変革の政治学的分析:日本と英国の比較

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
21K01301
体系的課題番号
JP21K01301
配分額
(総額)
3,640,000円
(直接経費)
2,800,000円
(間接経費)
840,000円

日本の出入国在留管理制度(特に退去強制手続き)を英国のケースと比較分析する本研究の第一段階として、2021年度は、日本の入管(退去強制)制度の歴史的発展と制度的欠陥の構造、そして、制度の変化における政治的要因を明らかにすることに焦点を絞った。
①【入管(退去強制)制度の歴史的発展の分析】過去30年間の日本の入管制度の変遷の経路がある特定のパターンをなしていることが、定性分析で証明された。また、このパターンは、日本政府の外国人受け入れ政策の本義を下支えしているとの仮説を導き出した。研究結果は、論文発表(英文)の形で報告した(遠藤 2021年)。②【入管制度的欠陥の構造の解析】上記(①)の研究結果を基に、現在の入管制度が構造的・行政的欠陥を持つか、また、陳腐化した入管制度の抜本的改革が達成できない政治要因を体系的・理論的に解析した。研究結果は、2本の論文(英文)取りまとめた(2022年5月および6月発表予定)。③【入管制度制度の変化における政治的要因の分析】上記(①および②)の研究結果を基に、過去、いくつかの歴史的節目(critical junctures)において抜本的改革が行われなかった原因を体系的・理論的に探求した。理論的には、新制度論の「経路依存(path dependence)」理論を用い、戦後の「節目」を見つけ、制度改革にどのような政治的要因が作用し、改革のアクターがどのような意図・利益で影響を及ぼしたかを解析した。「日本の入管は過去の歴史に引きづられて(すなわち経路依存)改善できない」という曖昧な通説に、具体的かつエビデンス・ベースで政治ダイナミクスの作用を実証することで、理論的貢献を果たした。研究結果は論文(英文)取りまとめた(未発表)。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K01301
ID情報
  • 課題番号 : 21K01301
  • 体系的課題番号 : JP21K01301

この研究課題の成果一覧

論文

  1

書籍等出版物

  2

講演・口頭発表等

  4