共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2023年3月

BRAF変異シグナル依存性に影響を及ぼすlncRNAの同定

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K07740
体系的課題番号
JP19K07740
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

BRAF遺伝子のV600に生じるミスセンス変異は機能活性化変異であり、様々な固形癌において臓器横断的に変異が報告されている代表的なドライバー変異であるが、BRAF阻害剤に対する感受性は由来臓器に依存して大きく異なっていることが知られており、臓器横断的治療に基づく薬剤開発をしていく上での課題となっている。本課題では、臓器特異的な発現パターンを有するlong non-coding RNA(以下lncRNA)が、BRAF変異に対する依存性に影響を及ぼすと想定し、そのlncRNA同定を目的に細胞実験を計画した。しかし進捗に遅れがみられることから、in silicoでの解析も行っている。
細胞実験では、CRISPR-dCas9遺伝子発現活性化システムと標的lncRNAの転写部位へのガイドRNAを用いて、網羅的な解析を計画し、BRAF阻害剤非感受性株としてRKO細胞、BRAF阻害剤感受性株として A375細胞にdCas9-VP64 とMS2-P65-HSF1を安定発現できる細胞株を樹立した。次に10,504か所のlncRNA転写開始点に対応するsgRNAライブラリーを、レンチウィルスを用いて導入発現させるためのマススクリーニングに着手したが、RKO細胞はゼオシンによるセレクションが細胞が密な状態では困難であったため、A375細胞で導入準備を行っている。今後、Dabrafenibの存在/非存在下で生存する細胞からgDNAを抽出し、sgRNA領域をPCRにて増幅し、次世代シークエンサーにて解析を行う予定である。
同時に公共データベース(TANRIC, DepMap)を用いてin silicoでの解析にも着手した。BRAF変異を有する悪性黒色腫、大腸癌検体から、発現レベルが異なるlncRNA(悪性黒色腫で発現上昇がみられる174の lncRNA、発現低下がみられる27のlncRNA)を同定した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K07740
ID情報
  • 課題番号 : 19K07740
  • 体系的課題番号 : JP19K07740