2008年4月
日本海及び青森周辺海域における粒子状有機物の循環過程
JAEA-Conf 2008-003
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- 67
- 終了ページ
- 70
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
環境動態研究グループでは、日本海及び青森周辺海域で採取された粒子状有機物中の放射性炭素(C-14)同位体比の時空間変化から、同海域における粒子状有機物の輸送過程を追跡する研究を展開している。本研究のC-14同位体比の測定は、原子力機構青森研究開発センターが所有するタンデトロンAMSを利用して実施しており、これまでに115試料が測定されている。ここでは、一連のC-14同位体比から推定された、日本海盆及び日高沖における粒子状有機物の輸送過程について報告する。いずれの海域でも、粒子状有機物のデルタC-14値は深さとともに減少し、試料を採取した水深から海底までの距離と、デルタC-14値との間には、有意な関係は見られなかった。海水中の粒子状有機物が示す古い「見かけの年齢」は、海底堆積物の再懸濁のみでは説明できず、海洋表層で生産される新しい有機物と河川等を通じて陸上から供給される古い有機物のバランスが、その「見かけの年齢」を決定付けることが示唆された。