講演・口頭発表等

国際会議

日本海における粒子状有機炭素の移行時間

2008 Ocean Sciences Meeting
  • 乙坂 重嘉
  • ,
  • 田中 孝幸
  • ,
  • 外川 織彦
  • ,
  • 天野 光
  • ,
  • 皆川 昌幸*
  • ,
  • Khim B.-K.*
  • ,
  • 乗木 新一郎*

開催年月日
2008年3月
記述言語
英語
会議種別
国・地域
アメリカ合衆国

日本海北東部で得られた粒子状有機物(POC)試料中の放射性炭素及び安定炭素同位体比から、同海域におけるPOC循環の年齢について議論する。POCの「見かけの年齢」の指標であるDelta C-14値は懸濁POCに比べて沈降POCで大きく、いずれも深さとともに減少した。安定炭素同位体比dC13値は沈降POCに比べて懸濁POCで大きかった。沈降POCのC-14同位体比と元素組成との関係から、沈降POCのDelta C-14値は陸起源POCと表層の生物活動で生産されるPOCの混合比を表していることと、その混合比は沈降過程で変化することが示唆された。さらに、沈降POC中の陸起源成分と懸濁POC間のDelta C-14値の差は、海水中でのPOC移行に伴う経過時間を示していると考えられた。これらのことから、沈降粒子と懸濁粒子のC-14年代の差が海水柱内での懸濁POCの年齢であるとみなすことができ、日本海の深層(3km層)でのPOCの年齢は、約300年と見積もられた。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5010640