2010年 - 2013年
水溶液錯体化学に立脚したナノフォトセラミックスの合成:高度機能開拓と新物質探索
文部科学省 科学研究費補助金(基盤研究(A)) 基盤研究(A)
- 課題番号
- 22246081
- 体系的課題番号
- JP22246081
- 担当区分
- 連携研究者
- 配分額
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- (総額)
- 47,970,000円
- (直接経費)
- 36,900,000円
- (間接経費)
- 11,070,000円
- 資金種別
- 競争的資金
平成23年度には、(1)アミノ酸を配位子とする新規水溶性チタン錯体の開発、(2)水溶性ビスマス化合物の開発、(3)水溶性ケイ素化合物(WSS)を用いた並列合成法による新規ケイ素含有白色LED用蛍光体の探索と高度機能化、(4)水溶性ケイ素化合物(WSS)の集積化学に基づく新しい構造体の創成、の4種類のテーマを設定し研究を遂行した。この中で特に優れた成果の得られた(3)について、研究実績の概要を以下に記す。白色LEDは省エネルギーかつ長寿命で、次世代照明として急速に普及が広まっている新規光デバイスである。現在の白色LEDへの要求としてさらなる発光効率の向上と演色性の改善が挙げられ、特にLEDより発せられる青色光を効率よく緑・黄・赤へと変換する蛍光体の開発が求められている。現在までの多くの研究報告において、青色光によって励起するケイ素含有蛍光体材料が多く知られている。本研究課題では研究代表者らが開発した水溶性ケイ素化合物(WSS)をケイ素原料として、組成の均一性に優れる錯体重合法や環境負荷の低い合成法であるアモルファス金属錯体法、また、それらなどの複数の手法を組み合わることにより、新規白色LED用蛍光体の探索を行った。LEDによる青色光によって効率よく励起するEu^<2+>を発光中心として用いるため、その置換サイトとして最適なアルカリ土類金属を母体元素として設定し、多種多様な組成のシリケート系、チオシリケート系、シリコンオキシナイトライド系化合物の探索を行った。その結果、2種類のアルカリ土類を含む(Ca_<1-X>Sr_X)_<2n>Si_<n+1>S_<4n+2>:EU^<2+>で表される新規材料群を発見し、これらが青色励起によって発光を示し、高い演色性を持つことを発見した。結晶構造学的見地からこれらの蛍光体の優れた発光特性に対する詳細な解釈を行い、それらを元に材料設計と合成へとフィードバックさせることでさらなる特性向上へとつなげ、企業の協力を経て市販白色LEDへの実装と大規模展開を目指す。
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- ID情報
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- 課題番号 : 22246081
- 体系的課題番号 : JP22246081