2016年8月
掌蹠膿疱症における金属感作に関する検討
昭和学士会雑誌
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- 巻
- 76
- 号
- 4
- 開始ページ
- 480
- 終了ページ
- 485
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.14930/jshowaunivsoc.76.480
- 出版者・発行元
- 昭和大学学士会
掌蹠膿疱症は原因不明の難治性疾患であるが、誘因として病巣感染、喫煙、金属アレルギー等が指摘されている。本症における金属アレルギーを検討する目的で、22年間のパッチテスト結果を検討した。1990年4月より2012年3月までに昭和大学病院附属東病院皮膚科を受診し、歯科金属シリーズのパッチテストを施行された1,025名(男210名、女815名、4〜85歳、平均年齢40.1±18.1歳)を対象に、掌蹠膿疱症患者群(148名)と他疾患患者群(877名)との間で陽性率の比較を行った。パッチテストは18種類の金属試薬を健常皮膚に貼付し、48時間後に除去した。判定は72時間後にICDRG(International Contact Dermatitis Research Group)基準に基づいて施行し、+〜+++を陽性とした。掌蹠膿疱症患者群と他疾患患者群とで金属の陽性率を比較すると、0.5%塩化白金酸に対する陽性率が前者では6.8%(148名中10名)であったのに対して、後者では2.6%(877名中23名)であり、χ2検定で両群間に有意差が認められた(p<0.05)。したがって、掌蹠膿疱症においては白金(Pt)に対するアレルギー反応が重要な役割を担っている可能性が高いと考えられた。本症のパッチテスト結果について、1施設での長期間にわたるデータの検討結果は報告されておらず、新知見を与える研究と考えられる。(著者抄録)
- ID情報
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- DOI : 10.14930/jshowaunivsoc.76.480
- ISSN : 2187-719X
- 医中誌Web ID : 2017182341