2017年5月 - 2022年3月
CTA 大口径望遠鏡アレイによる極限宇宙の研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(S)
高エネルギーガンマ線による宇宙の研究は、過去20年にわたり、新たな大気チェレンコフ望遠鏡技術により大きく進展した。本研究計画は、世界で唯一となる次世代の高性能チェレンコフ望遠鏡CTAの建設により、この研究分野を飛躍的に発展することを目的とする。我々日本グループは、技術の粋をあつめてCTA北サイトであるスペイン・ラパルマに 23m口径大口径望遠鏡4基を国際協力により建設している。本研究では、これら4基の大口径望遠鏡アレイ建設をすすめ、CTA建設の初期段階から可能な限り多くの科学成果を生み出す。研究目的は、1)地上からのガンマ線バースト観測、2) 超大質量ブラックホールでの高エネルギー現象の解明、3) 銀河中心、矮小楕円銀河での暗黒物質の高感度な探索である。
大口径チェレンコフ望遠鏡1号基の建設は2018年10月に建設を完了し、コミッショニング、定常運転へとすすめてきた。現在、同サイトに建設されているMAGIC望遠鏡2基との間で相互較正、ステレオ観測をおこなっている。2-4号基望遠鏡は、その構造体の入札も終わり、これから本格的な設置作業がはじまる。日本担当の2-4号基の望遠鏡エレメント(分割鏡、光センサー、読出し回路、電源システム)はすべて製造、輸送を完了し、設置を待つのみである。一方、2019年1月には、15年間稼働してきた MAGIC 望遠鏡により、ガンマ線バースト GRB190114C の初観測に成功した。このガンマ線バースト観測の成功は z=0.42 と近傍であり、EBLによる吸収が比較的少なかったことが大きな理由としてあげられる。このバーストからのガンマ線スペクトルはTeV領域を超えて伸びており、我々の予測に一致するものであった。より高感度なCTA大口径望遠鏡により、より多くのガンマ線バーストが詳細に観測、研究されると期待される。
大口径チェレンコフ望遠鏡1号基の建設は2018年10月に建設を完了し、コミッショニング、定常運転へとすすめてきた。現在、同サイトに建設されているMAGIC望遠鏡2基との間で相互較正、ステレオ観測をおこなっている。2-4号基望遠鏡は、その構造体の入札も終わり、これから本格的な設置作業がはじまる。日本担当の2-4号基の望遠鏡エレメント(分割鏡、光センサー、読出し回路、電源システム)はすべて製造、輸送を完了し、設置を待つのみである。一方、2019年1月には、15年間稼働してきた MAGIC 望遠鏡により、ガンマ線バースト GRB190114C の初観測に成功した。このガンマ線バースト観測の成功は z=0.42 と近傍であり、EBLによる吸収が比較的少なかったことが大きな理由としてあげられる。このバーストからのガンマ線スペクトルはTeV領域を超えて伸びており、我々の予測に一致するものであった。より高感度なCTA大口径望遠鏡により、より多くのガンマ線バーストが詳細に観測、研究されると期待される。
- ID情報
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- 課題番号 : 17H06131
- 体系的課題番号 : JP17H06131