共同研究・競争的資金等の研究課題

2000年 - 2001年

カルシウム/カルモデュリン依存性リン酸化酵素カスケードを介した遺伝子発現調節

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
12680637
体系的課題番号
JP12680637
配分額
(総額)
3,800,000円
(直接経費)
3,800,000円

1)新しい細胞内カルシウム情報伝達系として見い出されたカルモデュリン依存性キナーゼカスケードは上流のカルモデュリン依存性キナーゼ活性化リン酸化酵素(CaM-KK)による標的下流カルモデュリン依存性キナーゼのリン酸化を介した活性化により成り立っている。ラットCaM-KKもカルモデュリン依存性キナーゼであり、そのカルモデュリン結合の立体構造をNMRを用いて明らかにしたところ、これまでに報告のあるカルモデュリン依存性キナーゼとはその結合方向性を逆にするものであった。本研究においては、この特徴的なカルモデュリン結合をこれまでに同定した線虫CaM-KKのカルモデュリン結合ペプチドとカルモデュリンとのX-線結晶構造解析により詳細に検討し哺乳動物CaM-KKと同様であることを見い出した。一方、ラットCaM-KKαは構造解析からも明らかなように、その活性発現にはカルモデュリン結合を必要とする。本研究においてCaM-KKの他のアイソフォームであるCaM-KKβがカルシウム/カルモデュリン非在下に高い活性を発現することを見い出した。CaM-KKαはその自己抑制領域に存在するlle441によりカルシウム/カルモデュリン非存在下には不活性状態に保たれているが、CaM-KKβはこの自己抑制機構が触媒領域のN-末端に存在する129番から151番のアミノ酸残基に由来する領域による阻害により生じることを明らかとした。
2)CRE-GFPを有するレポーター遺伝子を保持させた線虫を作成することに成功し、活性型線虫CaM-Klの導入に伴うGFP発現を線虫個体で観察することができ、線虫においてカルモデュリン依存性キナーゼカスケードがCREBを介した遺伝子発現調節に積極的に関与するこをin vivoにおいて明らかとした。またこのカルモデュリンキナーゼカスケード依存性のGFP発現は線虫CREBの遺伝子破壊された個体では見られなかった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-12680637
ID情報
  • 課題番号 : 12680637
  • 体系的課題番号 : JP12680637