論文

査読有り 筆頭著者 責任著者 本文へのリンクあり 国際誌
2020年2月

Effects of the Australian winter monsoon on the persistence of La Niña events

Journal of the Meteorological Society of Japan. Ser. II
  • Tomohiko Tomita
  • ,
  • Taiga Shirai
  • ,
  • Tsuyoshi Yamaura

98
1
開始ページ
189
終了ページ
211
記述言語
英語
掲載種別
研究論文(学術雑誌)
DOI
10.2151/jmsj.2020-011
出版者・発行元
日本気象学会

一般にLa Niña(LN)イベントは、El Niño(EN)イベントよりも長く持続する。本研究は、客観解析データを用いてLNイベントの持続に及ぼすオーストラリア冬季モンスーン(AWM)の影響を調査する。通常、ENイベントは、3月から8月に生じる太平洋赤道域での偏差的なウォーカー循環の東方移動にともない終了する。しかしLNイベントでは、LNによって誘発された通常よりも強いAWMにより、3月から8月にかけて偏差的なウォーカー循環の上昇流域が、インドネシア海洋大陸(IMC)上に固定される。AWMの強さは、3月から8月の間のIMCとオーストラリア大陸北部(NAC)の間の表面温度差による。 LNは、降水量の増加とそこでの表層土壌水分量の増加によってNAC上の表面温度を低下させ、この表面温度差を大きくする。 LN期間中の多降水にともなう下向き短波放射の表面フラックスの減少もまたNACの表面温度を低下させることに寄与する。LNでは、AWMの強まりと偏差的なWalker循環の強まりが、IMCおよびその周辺域で強化された対流活動を通し互いに増強し合う。この正のフィードバック、本研究ではこれをLN-AWMフィードバックとよぶ、がLNイベントの期間を長くすると考えられる。ENではこのようなフィードバックが機能せず、ENイベントは3月から8月にかけて規則正しく終了する。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.2151/jmsj.2020-011 本文へのリンクあり
Web of Science
https://gateway.webofknowledge.com/gateway/Gateway.cgi?GWVersion=2&SrcAuth=JSTA_CEL&SrcApp=J_Gate_JST&DestLinkType=FullRecord&KeyUT=WOS:000521825300012&DestApp=WOS_CPL
URL
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jmsj/98/1/98_2020-011/_pdf 本文へのリンクあり
ID情報
  • DOI : 10.2151/jmsj.2020-011
  • ISSN : 0026-1165
  • eISSN : 2186-9057
  • Web of Science ID : WOS:000521825300012

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