2018年4月 - 2021年3月
日本語学習者のヘッジ表現の習得過程ー中間言語語用論の観点からの考察ー
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
本研究の目的は、日本語学習者のヘッジ表現の習得過程を中間言語語用論の枠組みから明らかにすることである。縦断的調査に基づき、受容 (Reception) と産出 (Production) の両側面からヘッジ表現使用における語用論的特徴の変化を考察するとともに、発達に関わる手がかりを探る。
2018年度は、以下のように、語用論的受容能力と産出能力、影響要因に関する理論的研究と研究デザインの検討に注力した。(1)中国語を母語とする日本語学習者を対象としたデータに基づき、産出されたヘッジ表現の機能に学習者母語が影響するか可能性について分析した。その結果、学習者は「発話内容緩和」よりも「命題の不確かさ」を示すヘッジを優先的に使用しており、日本語母語話者と異なることが明らかになった。また日本語母語話者との差異が生じる原因として,母語からの語用論的転移(正の転移・負の転移)の影響があることが示唆された。本結果は、JSLS2018において口頭発表を行い、日本語教育関係者や第二言語習得論研究者からフィードバックを受けた。 (2) 語用論的受容能力の測定については、日本語レベルや発話内容などを検討しながら聴解スクリプトの一次案および予備実験用の音声ファイルを作成した。(3) 産出能力については、日本語レベルやテーマの難易度などを総合的に検討しながらタスクシートを作成後、日本語学習者および日本語母語話者を対象に、複数回、予備調査を実施し、適宜修正を行った。 (4) 音声資料(産出された会話)のトランスクリプト・システムを検討するため、予備調査で収集した会話の一部について文字化作業を行った。
2018年度は、以下のように、語用論的受容能力と産出能力、影響要因に関する理論的研究と研究デザインの検討に注力した。(1)中国語を母語とする日本語学習者を対象としたデータに基づき、産出されたヘッジ表現の機能に学習者母語が影響するか可能性について分析した。その結果、学習者は「発話内容緩和」よりも「命題の不確かさ」を示すヘッジを優先的に使用しており、日本語母語話者と異なることが明らかになった。また日本語母語話者との差異が生じる原因として,母語からの語用論的転移(正の転移・負の転移)の影響があることが示唆された。本結果は、JSLS2018において口頭発表を行い、日本語教育関係者や第二言語習得論研究者からフィードバックを受けた。 (2) 語用論的受容能力の測定については、日本語レベルや発話内容などを検討しながら聴解スクリプトの一次案および予備実験用の音声ファイルを作成した。(3) 産出能力については、日本語レベルやテーマの難易度などを総合的に検討しながらタスクシートを作成後、日本語学習者および日本語母語話者を対象に、複数回、予備調査を実施し、適宜修正を行った。 (4) 音声資料(産出された会話)のトランスクリプト・システムを検討するため、予備調査で収集した会話の一部について文字化作業を行った。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K12418
- 体系的課題番号 : JP18K12418
この研究課題の成果一覧
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論文
2-
KLS Selected Papers (3) 1-16 2021年6月5日 査読有り筆頭著者最終著者責任著者
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国際文化研究 (26) 55-67 2020年3月31日 査読有り筆頭著者最終著者責任著者
講演・口頭発表等
8-
日本語用論学会第24回大会 2021年12月
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2021年度日本語教育学会秋季大会 2021年11月
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第31回 第二言語習得研究会 (JASLA) 全国大会 2020年12月
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日本語用論学会第23回大会 2020年11月
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関西言語学会第45回大会 2020年6月
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第30回 第二言語習得研究会 (JASLA) 全国大会 2019年12月
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第53回日本語教育方法研究会 2019年9月
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【ワークショップ】言語学と言語教育学:理論と実践,そして応用へ 2019年8月