共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2024年3月

健康政策を効果最大化と格差縮小の両軸で評価するためのツール開発:肺がんを事例に

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
19H01076
体系的課題番号
JP19H01076
配分額
(総額)
44,850,000円
(直接経費)
34,500,000円
(間接経費)
10,350,000円

2022年度は日本版の肺がんマイクロシミュレーション(MS)モデルの枠組を用いて、各シナリオに基づく分析が可能になるように必要なデータ収集・粗集計を行った。研究集会を6月に行い、研究進捗状況について情報共有し、今後の研究計画を確認した。また各チームミーティングを2か月に1回程度行い、進捗を共有した。
A. MSモデルの構築:米国CISNETの先行研究の肺がん自然史モデルをもとに、作成した日本版肺がん自然史モデルに対し、収集したデータを一部適用し、結果の出力が可能であることを確認し、学会で報告した。
B. 予防(たばこ対策の効果):国民生活基礎調査データや国民健康栄養調査データを入手し、リンケージの作業を進めている。これらのデータを用いてSmoking History Generatorの精緻化を行い、MSモデルに組み込むデータを作成した。
C. 検診(胸部X線検査、低線量CT検査の効果):日本で実施された過去の胸部X線の住民検診や低線量CTを使用した住民検診コホートのデータや学会収集のデータをもとに喫煙状況別に発見時のがんのサイズなどのデータを整理し報告した。
D. 治療(分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤等の普及の効果)・サバイバーシップ:院内がん登録とDPCデータを突合したデータを用いて、居住地の地理的剥奪指標ごとに生存率の分析を行い、論文を発表した。全国がん登録データを入手し、地理的剥奪指標の付与の作業を開始した。商用データベースにより就労・療養両立支援に関するデータの分析も行った。
E. 健康格差:肺がんのアウトカムとして死亡率の地理的剥奪指標による格差について分析を行った。全国がん登録データにより罹患率、生存率の格差の解析についても着手した。喫煙率・検診受診率の格差について、国民健康栄養調査および国民生活基礎調査を用いて分析を開始した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19H01076
ID情報
  • 課題番号 : 19H01076
  • 体系的課題番号 : JP19H01076

この研究課題の成果一覧

講演・口頭発表等

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