2020年4月 - 2024年3月
三重水素標的と大強度三重水素ビームによる中性子多体系の探究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本研究では、三重水素標的を製作し、それと大強度三重水素ビームを組み合わせて原子核反応測定を行うことで、原子核系が高アイソスピン状態にある場合についての基礎データを取得することを目指している。
本年度は特に三重水素標的の製作について重点的に実施した。三重水素標的としては、チタン吸蔵型を採用した。過去の我々の研究により、薄膜に効率よく水素ガスを吸蔵させていく方法は確立していた。しかし、ガス中に微量の不純物が存在しているだけでも吸蔵の障害となるという問題がみられた。そこで、多少不純物が存在する環境下でも水素ガスを吸いやすい製作条件を事前に探索した。その上で、標的の実製作を富山大学の水素同位体科学研究センターにおいて実施した。その結果、厚さ約80ミクロンのチタンフォイルに、チタン原子に対して三重水素原子を1.5倍まで吸蔵させた標的を製作することに成功した。これは原子核物理用のチタン吸蔵型三重水素標的としては世界最高の厚さである。製作した標的は、今後の加速器実験に利用する為に、専用の多重密封チェンバーに封じた上で、理化学研究所へと輸送した。
また標的製作と並行して、加速器実験で使用する為の実験装置の開発も推進した。標的を設置する為の真空チェンバーの開発を行うとともに、散乱粒子の散乱角度を決定する為の短冊形シンチレーション検出器のテスト機の製作を実施した。後者については、必要性能を満たすことを確認するところまでが完了し、実機の製作へと話を進めることができた。
本年度は特に三重水素標的の製作について重点的に実施した。三重水素標的としては、チタン吸蔵型を採用した。過去の我々の研究により、薄膜に効率よく水素ガスを吸蔵させていく方法は確立していた。しかし、ガス中に微量の不純物が存在しているだけでも吸蔵の障害となるという問題がみられた。そこで、多少不純物が存在する環境下でも水素ガスを吸いやすい製作条件を事前に探索した。その上で、標的の実製作を富山大学の水素同位体科学研究センターにおいて実施した。その結果、厚さ約80ミクロンのチタンフォイルに、チタン原子に対して三重水素原子を1.5倍まで吸蔵させた標的を製作することに成功した。これは原子核物理用のチタン吸蔵型三重水素標的としては世界最高の厚さである。製作した標的は、今後の加速器実験に利用する為に、専用の多重密封チェンバーに封じた上で、理化学研究所へと輸送した。
また標的製作と並行して、加速器実験で使用する為の実験装置の開発も推進した。標的を設置する為の真空チェンバーの開発を行うとともに、散乱粒子の散乱角度を決定する為の短冊形シンチレーション検出器のテスト機の製作を実施した。後者については、必要性能を満たすことを確認するところまでが完了し、実機の製作へと話を進めることができた。
- ID情報
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- 課題番号 : 20H01924
- 体系的課題番号 : JP20H01924
この研究課題の成果一覧
絞り込み
講演・口頭発表等
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Nuclear Physics in the 21st Century 2023年2月13日 招待有り
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KPS 70th Anniversary and 2022 Fall Meeting 2022年10月19日 招待有り
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13th International Conference on Tritium Science and Technology 2022年10月19日
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The 8th Asia-Pacific Conference on Few-Body Problems in Physics 2021年3月3日 招待有り