共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年7月 - 2023年3月

睡眠負債・社会的ジェットラグの生物心理学的基盤の解明と睡眠教育プログラムの開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
20K20869
体系的課題番号
JP20K20869
配分額
(総額)
6,370,000円
(直接経費)
4,900,000円
(間接経費)
1,470,000円

近年、労働者の睡眠問題、特に睡眠負債(日々の睡眠不足の蓄積)や社会的ジェットラグ(平日と休日の睡眠時間帯のずれによる時差ぼけ)が大きな社会問題となっている。これらは長時間労働や過重労働が主な原因と考えられ、職場うつや過労死・過労自殺発生の背景となっている。この現状を解決するために、本研究は働く人々の社会的ジェットラグの健康影響を前向き研究から明らかにし、そこから得たエビデンスをもとに予防法を考案し、有効性を評価する。最終的に社会的ジェットラグを解消するための睡眠教育プログラムを開発することを目指すものである。
本研究においては日勤労働者を対象に、健康診断時に睡眠に関する詳細な調査を実施し、併せて健康診断データとリンクさせ、さらに残血清を用いて炎症マーカー(CRPやサイトカイン)を測定する計画である。多様な炎症マーカーの測定と同時に一般健康診断項目も測定し、睡眠の影響による健康状態を総合的に調査する。仕事のストレス、睡眠以外の生活習慣(喫煙、食生活、運動、飲酒等)も詳細に調査を行う。なお、コロナ禍により当初5月に予定していた健康診断を8月末に実施し、2年目のデータは無事取り終えた。しかし、諸事情により来年度は対象企業からの協力の見込みがないため、2021年11月に中小企業従業員を対象にネット調査に切り替えた。現在、2回目の調査(フォローアップ調査)の実施に向けて検討している。
もう一つの大規模職域疫学研究は、これまで収集した既存データの解析を進めることである。約7万人の日勤労働者のデータを解析し、社会的ジェットラグとクロノタイプのメンタルヘルス、食行動、疲労、欠勤や病欠、腰痛・肩こりなど筋骨格系障害に対する独立した影響を検討しており、論文完成に向けて準備は十分進んでいる。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K20869
ID情報
  • 課題番号 : 20K20869
  • 体系的課題番号 : JP20K20869