論文

査読有り 筆頭著者
2021年8月

地域保健活動における主要用語の定義:デルファイ法を用いた全国調査

日本公衆衛生雑誌
  • 永井 智子
  • 梅田 麻希
  • 麻原 きよみ
  • 三森 寧子
  • 遠藤 直子
  • 江川 優子
  • 小林 真朝
  • 佐伯 和子
  • 大森 純子
  • 嶋津 多恵子
  • 川崎 千恵
  • 永田 智子
  • 佐川 きよみ
  • 小西 美香子
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68
8
開始ページ
538
終了ページ
549
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.11236/jph.20-079
出版者・発行元
日本公衆衛生学会

<p>目的 保健師が健康な地域づくりを関係職種とともに推進していくために,地域保健活動における主要用語を,保健師および協働する関係職種の意見を取り入れながら定義することを目的とした。</p><p>方法 厚生労働省健康局長通知である「地域における保健師の保健活動に関する指針」で使用されている主要用語を抽出し,研究メンバーにて作成した定義案に対する調査をデルファイ法により実施した。調査対象は,自治体の管理的立場にある保健師,自治体事務職員,保健師養成機関の公衆衛生看護学教員,社会福祉協議会職員,各200人,計800人とした。用語の定義案への適合度を4件法のリッカートスケールで尋ね,「同意する」「どちらかといえば同意する」を「適合」として割合を集計し,70%以上を合意水準とした。また,各定義案に自由記載欄を設け,意見や代替案を記載できるようにした。</p><p>結果 第1回調査は,231人の回答を得て,適合度の範囲は83.9%から96.9%,平均は91.5%であった。すべての用語の定義で合意水準を超えたが,適合度や自由記載の意見等を参考に,すべての用語の定義の妥当性を検討した。意見は,各職種から幅広く得られ,定義の長さ,使用される場面,言葉の使い方,表現,定義案への違和感とその箇所,代替案の提案等があげられた。第2回調査は,第1回調査時に同意が得られた対象者117人に実施し,90人の回答を得た。第2回調査の適合度の範囲は86.7%から98.9%,平均は94.6%であり,定義が対象者の合意に達したと判断した。自由記載の意見を参考に一部の用語の定義に修正を加え,定義を確定させた。最終的に定義した用語は,地域,地域診断,政策等の23の用語である。</p><p>結論 すべての定義の適合度が85%を超える値であり,多様な解釈のある用語を,保健師の地域保健活動の観点から定義することができた。保健師と協働する関係職種の意見を含めて定義したことにより,これらの職種と共有できる用語の定義となったと考える。本用語の定義は,保健師および協働する関係職種において,実践,教育,研究の場で活用できると考える。</p>

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.11236/jph.20-079
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/130008051015
ID情報
  • DOI : 10.11236/jph.20-079
  • ISSN : 0546-1766
  • CiNii Articles ID : 130008051015

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