共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

25型コラーゲンの神経疾患における分子病態ならびに健康老化効果の分子基盤の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
17K07091
体系的課題番号
JP17K07091
配分額
(総額)
4,940,000円
(直接経費)
3,800,000円
(間接経費)
1,140,000円

アルツハイマー病の病態形成にcollagen XXVが与える影響を検討する目的で、APP/collagen XXVダブルTgマウスについてY-maze試験を行ったが、APP Tgマウスに比して認知機能に有意な差は認められなかった。また、Col25a1をヘテロに欠損するAPP Tgマウスにおけるアミロイド蓄積への影響を評価したが、顕著な変化は認められなかった。
神経系におけるcollagen XXVの機能解析においては、collagen XXVとの相互作用を見出したRPTPσ/δについて、RPTPのIg3ドメインがcollagen XXVとの結合に必須であること、Ig1ドメイン内のリジン残基クラスターも結合に関与することを示した。一方、collagen XXVのカルボキシ末端のCOL3-NC4領域が結合に関与することも明らかにした。次にHb9-GFP Tgマウスの脊髄前角のmotor explantとHEK293細胞との共培養実験系を確立した。HEK293細胞にcollagen XXVを発現すると、運動ニューロン軸索が誘因され、細胞上に接する軸索が有意に増加した。共培養実験にRPTPσ/δ細胞外ドメインの各種リコンビナントタンパク質を添加すると、collagen XXV結合領域を有する場合のみ、阻害作用が認められた。これらから、collagen XXVとRPTPの相互作用は軸索の標的細胞への誘導・結合に働くことが示唆された。
先天性脳神経支配異常症(CCDD)におけるcollagen XXVの作用について、Col25a1ノックアウトE18.5胎児では、外眼筋に投射する動眼神経核、滑車神経核の運動ニューロン数が有意に減少していた。また、その他の運動性脳神経核についても顕著な減少を認め、Col25a1は脊髄のみならず脳神経の運動ニューロンの発生にも重要であることが示された。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-17K07091/17K07091seika.pdf
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17K07091
ID情報
  • 課題番号 : 17K07091
  • 体系的課題番号 : JP17K07091