2010年11月
遠い写真 - 昭和天皇の大礼における電送写真をめぐって
表象文化論学会研究集会
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
現在のFAXの原型となる、電気による写真の送受信技術(電送写真)は迅速に視覚イメージを送受信できる機能があるが、その史的変遷については科学技術史における探究に留まり、メディア学における位置づけが明らかではなかった。そこで、昭和3年(1928)11月に行われた昭和天皇の即位に関する行事「昭和大礼」において全国各地の新聞紙に電送写真が多数掲載されたことに着目し、研究を行った。その結果、政府が新聞社に電送写真の送受信と掲載を許可したのは国民に天皇の即位を視覚的に知らしめて、日本をひとつにまとめるという政治的目的を果たすためであることを明らかにした。