インターネットは企業活動に不可欠なものとなり，企業 のウェブサイトは単なる情報発信からコミュニケーション 手段を経てビジネスツールとなった。
三菱電機オフィシャルサイト(1)は，この新たな環境に適 合した次世代のプラットフォームへの移行とビジネスでの 一層の活用を目的に，“オフィシャルサイトの中・長期的 再構築”(2009~2011年度の3か年計画)を実施し，完了し た。
中・長期的再構築では，サーバ仮想化技術やクラウド技 術を活用し社内利用部門に対しセキュリティレベルの高い， 高品質なウェブサイトを短期間かつ安価に構築できる共通 プラットフォーム(Platform as a Service:PaaS)を実現し た。このプラットフォーム上にウェブマーケティング共通
基盤サービスを構築(Software as a Service:SaaS)し，プ ライベートクラウドとして提供することによって，企業価 値向上と商談機会創出を実現した(2)。
主な成果として，仮想化技術を用いて77台のサーバを22 台に統合し，運営費用に対する抑制効果をもたらすととも にCO2削減30%(2008年度比)を実現した。また，事業部門 運営サーバを統合・管理し，セキュリティの高度化，均質 化と危機管理レベルをアップさせた。合わせて，社内各事 業部門に向けた全社横断的な共通基盤サービスを提供する とともにグローバル化(多言語対応)にも対応した。サイト の質の向上と効率的運営を可能にし，企業価値向上を実現 した。