2017年3月
謡曲『御裳濯』『弓八幡』『養老』における「直ぐ」なる道
専修大学日本思想史研究会 例会
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 口頭発表(一般)
- 主催者
- 専修大学日本思想史研究会
祝言能の謡曲『御裳濯』『弓八幡』『養老』などに讃美される天皇の優徳さについて、その根拠由来を、和辻哲郎の指摘を参照しながら、天皇が「神の世継」であると謳われていること、繰り返し神と天皇との隔てなき同一性が強調されること、その要件として神君ともに正直に真っ直ぐに歩んでいく(「道すぐに歩みを運ぶ」)ことが示されている点に確認した。さらに、そうした天皇の優れた治世の淵源としての神の威徳とその発現は、むしろ天皇自身の正しく直ぐなる人為に神が感応するかたちで導出されてくること、そのようにして「道ある御代」が実現することを論じた。