2020年1月30日
フォークロアと死生のナラティブ——小泉八雲『怪談』・柳田國男『遠野物語』と死者の公共化
かわさき市民アカデミー「人間学講座」(「人間学再論――生老病死の思想」)
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
- 主催者
- 認定NPO法人かわさき市民アカデミー
- 開催地
- 川崎市生涯学習プラザ
- 国・地域
- 日本
『遠野物語』の柳田がそうであったように、八雲の『怪談』は、日本という異国の土地の怪談民話を聞き書きする際、不合理な出来事を、村の人々の解釈した不合理のままに体験し、その解釈のままに聞いた。不合理を合理化して現実に適合するよう整備しなおすのではなく、無稽を無稽のままに、不合理をただ不合理・不可思議なものとして物語る土地の人々のその解釈を内側からなぞる仕方で追体験しようとしたことを指摘し、科学的な分析解釈とは異なる「民話」への肉迫の仕方について論じた。