共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年9月 - 2023年3月

新型コロナウイルス感染による舌味覚障害発生のメカニズム解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 研究活動スタート支援  研究活動スタート支援

課題番号
21K21036
体系的課題番号
JP21K21036
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
3,120,000円
(直接経費)
2,400,000円
(間接経費)
720,000円
資金種別
競争的資金

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者において、発熱、咳、鼻水や鼻づまりなどの鼻症状がない状態での、嗅覚異常と味覚異常が報告されており、感染の初期症状ならびに後遺障害として注目されている。
しかしながら、COVID-19 による味覚障害が、嗅覚異常の随伴により生ずるものなのか、それとも舌の味覚を感知する味蕾細胞への直接作用によるものなのかなど、その詳細はまだ明らかではない。
本研究はCOVID-19 による味覚異常の機序の一端を明らかすること、また味覚異常の回復に関する治療法の開発を目指すとともに、COVID-19 に関する知見を蓄積することで有効な感染症対策に資することを目指す。
本研究では雄性 Sprague Dawley ラット(6 週齢)を用いた。まず免疫組織化学的にラット味蕾におけるACE2受容体発現を確認した。次にSARS-CoV-2 recombinant spike/ nucleocapsid proteinsを有郭乳頭に塗布するSARS-CoV-2群、生理食塩水群、舌咽神経切断群、不活性化SARS-CoV-2タンパク質群(各n=4)において介入12日後に灌流固定し組織切片を作製後、味蕾数・味蕾面積・DAPI陽性味蕾細胞数について比較検討した。その結果、生食群と比較してSARS-CoV-2群で味蕾数・味蕾面積・DAPI陽性味蕾細胞数の有意な減少が観察されたが、不活性化SARS-CoV-2タンパク質群では観察されなかった。
このことからSARS-CoV-2タンパク質の味蕾への直接的な影響が、COVID-19感染後の味覚障害の一因として関与している可能性が示唆された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K21036
ID情報
  • 課題番号 : 21K21036
  • 体系的課題番号 : JP21K21036