共同研究・競争的資金等の研究課題

2006年 - 2007年

Aβ生成制御機構の解明とAD創薬および診断法への応用

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特定領域研究  特定領域研究

課題番号
18023001
体系的課題番号
JP18023001
配分額
(総額)
8,700,000円
(直接経費)
8,700,000円
(間接経費)
0円
資金種別
競争的資金

アルツハイマー病(AD)は老人性認知症のうち、最も患者数の多い疾患であり、脳内老人斑の形成を病理特徴とする。老人斑の主成分はβ-アミロイド(Aβ)であり、Aβの生成と凝集がADの発症原因として有力視されている。Aβは前駆体タンパクAP細胞内代謝により生成するため、 APPの細胞内代謝機構を解明することは、Aβ産生を抑制する創薬ターゲットを開発する上で重要である。また、有効な治療を行うためには患者の早期発見は不可欠であるが、簡便かつ有効な診断法は現在まで実用化されていない。本研究では、APPと協調的な代謝を行う膜タンパク質Alcadein(Alc)およびAPPとAlcを細胞内で相互作用させるアダプター分子X11Lに着目し、APPに由来するAβ生成機構の解明と病態マーカーを用いた生化学的な診断法の開発に取り組む。ADAM10およびADAM17を欠失したMEF細胞ではAlcの一次切断が起こらないことを見いだした。従って、Alcは、APPα-セクレターゼによる細胞外切断を受ける。この切断に続いて、Alcはγ-セクレターゼによる膜内切断をうけ、APPのp3に相当するペプチドβ-Alcを分泌した。β-Alcに対する特異抗体を作成し、細胞から改修したβ-AlcをMALDI TOF/MS解析およびMS/MS解析により全一次構造を決定した。ヒト脳脊髄液(CSF)中にも同じ配列のβ-Alcが分泌されていることを測定した。γセクレターゼの触媒ユニットであるPS1の家族性変異を発現する細胞では、Alcの膜内切断にゆらぎが生じ、APPの病的切断との類似性を示した。β-Alcの量的・質的変化がAD発症と関わっているかどうかを、患者CSF中のβ-Alcを解析することで検証している。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/p/18023001
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18023001
ID情報
  • 課題番号 : 18023001
  • 体系的課題番号 : JP18023001