MISC

2003年

ドパミンによる運動精神機能調節:新たな研究への展開

日本薬理学雑誌
  • 笹政史
  • ,
  • 西昭徳
  • ,
  • 小林和人
  • ,
  • 佐野裕美
  • ,
  • 籾山俊彦
  • ,
  • 浦村一秀
  • ,
  • 矢田俊彦
  • ,
  • 森則夫
  • ,
  • 鈴木勝昭
  • ,
  • 三辺義雄

122
3
開始ページ
215
終了ページ
225
記述言語
日本語
掲載種別
書評論文,書評,文献紹介等
DOI
10.1254/fpj.122.215
出版者・発行元
社団法人 日本薬理学会

(第1章)大脳基底核回路は,運動制御,動作選択,報酬予測などの重要な脳機能を媒介する.神経伝達物質ドパミンはこれらの脳機能の制御において必須の役割を持つ.ドパミンの作用は,ニューロン活動の頻度の調節ばかりでなく,その活動のパターン形成にも関与する.ドパミンD2受容体を含有する線条体−淡蒼球ニューロンは,ドパミンに依存する運動協調作用において二重の調節的な役割を持つ.(第2章)ラット線条体のアセチルコリン性介在ニューロンへ入力するGABA性シナプス終末に存在するD2タイプ受容体活性化により,N型カルシウムチャネルが選択的に遮断され,GABA遊離が抑制される.また,このシナプス前抑制は,D2タイプ受容体とN型チャネルとの共役を保ちつつ,生後発達に伴い減弱する.大脳基底核関連機能と老化,関連疾患の発症年齢,新しい薬物治療といった臨床医学的見地からも興味深い.(第3章)中脳辺縁系ドパミン神経の起始部に相当する腹側被蓋野からドパミンニューロンを単離した後,細胞内遊離Ca2+濃度を測定し,orexin-A,methamphetamine,phencyclidineの作用を解析した.ドパミンニューロンはこれらの刺激に応答し,細胞内遊離Ca2+の増加およびCa2+チャネルの活性化が認められた.ドパミン神経は精神·行動異常や睡眠·覚醒の制御に関与しており,その細胞分子機構として細胞内遊離Ca2...

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.1254/fpj.122.215
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/130000085949
PubMed
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12939539
ID情報
  • DOI : 10.1254/fpj.122.215
  • ISSN : 0015-5691
  • CiNii Articles ID : 130000085949
  • PubMed ID : 12939539
  • SCOPUS ID : 0141591554

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