高木 俊人
タカギ トシヒト (Toshihito Takagi)
更新日: 09/13
基本情報
- 所属
- 神戸女学院大学 生命環境学部 専任講師
- 学位
-
博士(理工学)(福島大学)修士(理学)(山形大学)
- 研究者番号
- 61000948
- ORCID iD
https://orcid.org/0000-0002-4951-5537- J-GLOBAL ID
- 202401007951330744
- researchmap会員ID
- R000065436
- 外部リンク
野⽣⽣物の遺伝解析を⾏っています。
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研究分野
5論文
21-
Journal of Ecotourism 2026年7月28日 査読有り
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Mammal Study 51(2) 189-198 2026年3月5日 査読有り筆頭著者責任著者
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Journal of Forest Research 2026年1月22日 査読有り
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地球環境 30(1) 53-62 2025年5月 査読有り招待有り筆頭著者責任著者
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地域自然史と保全 46(1) 13-18 2024年8月 査読有り招待有り筆頭著者責任著者
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Conservation Science and Practice 6(3) 2024年2月19日 査読有り筆頭著者責任著者
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哺乳類科学 63(2) 179-184 2023年8月 査読有り責任著者
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日本野生動物医学会誌 28(1) 53-58 2023年4月5日 査読有り筆頭著者責任著者
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Journal of Mammalogy 104(2) 303-315 2023年1月30日 査読有り筆頭著者責任著者
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保全生態学研究 28(2) 425-436 2023年 査読有り
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哺乳類科学 63(1) 109-117 2023年1月 査読有り
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Science of The Total Environment 838 156224-156224 2022年9月 査読有り
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Environmental Pollution 306 119359-119359 2022年8月 査読有り
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Mycoscience 63(3) 79-87 2022年5月31日 査読有り
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Landscape and Ecological Engineering 18(3) 381-388 2022年4月30日 査読有り筆頭著者責任著者
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Population Ecology 64(2) 150-160 2022年1月25日 査読有り筆頭著者責任著者
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野生生物と社会 10 63-73 2022年 査読有り
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Genes & Genetic Systems 96(4) 199-203 2021年8月1日 査読有り
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野生生物と社会 9 57-64 2021年 査読有り
MISC
15-
神戸女学院大学論集 73(1) 165-171 2026年6月 筆頭著者責任著者
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SuSPCA持続コン協会報 101 131-138 2026年6月 招待有り
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自然と教育 36 2-4 2026年5月1日
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SuSPCA持続コン協会報 100 72-77 2026年3月 招待有り
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自然史しずおか (92) 8 2026年3月
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森林野生動物研究会誌 50 67-68 2025年12月
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紀伊半島の野生動物 15 1-5 2025年9月 査読有り筆頭著者責任著者
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森林遺伝育種 13(4) 131-136 2024年10月25日
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哺乳類科学 64(2) 243-249 2024年8月 筆頭著者責任著者
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JATAFFジャーナル 12(7) 23-27 2024年7月 招待有り責任著者
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ワイルドライフ・フォーラム 2024年3月
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理科通信サイエンスネット 78 2-5 2023年11月
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爬虫両棲類学会報 / 日本爬虫両棲類学会 編 2023(2) 186-191 2023年11月 筆頭著者責任著者
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紀伊半島の野⽣動物 13 23-25 2022年12月
講演・口頭発表等
20-
日本哺乳類学会2026年度大会 2026年9月12日
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第137回日本森林学会大会 2026年3月17日
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第23回とちぎ野生動物研究交流会 2026年3月6日
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11th International Deer Biology Congress 2026年2月13日
-
11th International Deer Biology Congress 2026年2月13日
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第30回「野生生物と社会」学会大会 2025年12月20日
-
日本哺乳類学会2025年度大会 2025年8月23日
-
日本生態学会第72回全国大会 2025年3月
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日本生態学会第72回全国大会 2025年3月
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とちぎ野生動物研究交流会 2024年3月1日
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第23回奈良⼥⼦⼤学共⽣科学研究センターシンポジウム・第27回紀伊半島研究会シンポジウム 2023年10月
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⽇本動物学会第94回⼤会 2023年9月
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The 2nd AsiaEvo Conference 2021年8月
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The 9th EAFES International Congress 2021年7月
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⽇本進化学会第22回オンライン⼤会 2020年9月
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⽇本⽣態学会第67回全国⼤会 2020年3月
-
⽇本哺乳類学会2019年度⼤会 2019年9月
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⽇本哺乳類学会2018年度⼤会 2018年9月
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第4回東北野⽣動物管理研究交流会 2017年11月
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⽇本哺乳類学会2017年度⼤会 2017年9月
経歴
4-
2025年4月 - 現在
-
2024年4月 - 現在
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2023年10月 - 2024年3月
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2023年4月 - 2023年10月
学歴
3-
2020年4月 - 2023年3月
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2018年4月 - 2020年3月
-
2014年4月 - 2018年3月
共同研究・競争的資金等の研究課題
6-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 2025年4月 - 2028年3月
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 2025年4月 - 2028年3月
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 2025年4月 - 2028年3月
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公益財団法人 村田学術振興・教育財団 第42回(2026年度)公益財団法人 村田学術振興・教育財団研究助成 2026年 - 2028年
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公益財団法⼈阪本奨学会 研究助成事業 2023年
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公益信託乾太助記念動物科学研究助成基⾦ 2022年
その他
14-
2026年3月沖縄島北部のやんばる地域は、ヤンバルクイナなどの貴重な野生生物が生息しており、2021 年にはユネスコ世界自然遺産に登録されています。この地域で、2024 年10 月 21 日、オスのシカ類が目撃されました。沖縄島には本来、在来のシカは生息していないため、やんばる地域でのシカの確認は初めてのことで、大きな話題となりました。このため、「人為的に持ち込まれた可能性が高い」との懸念が早くから指摘されていました。そこで、神戸女学院大学、森林総合研究所、南西環境研究所、福島大学、山形大学の共同研究グループは目撃地点付近で採取したシカ類の糞便サンプルから DNA を抽出し、性別と個体の由来を調べました。その結果、やんばるの森で採取された糞は、オスのニホンジカのものであり、宮城県・金華山島のニホンジカ集団と非常に近い遺伝的特徴を持っていたことから、人為的に移動された個体であることが明らかとなりました。今後は個体の逸出に迅速に対応できるだけでなく、逸出自体を防ぐことができる制度など行政の取り組みを整備することが必要です。本研究の成果が、2026 年 3 月 6 日に、日本哺乳類学会が発行する国際学術誌『Mammal Study』にてオンライン掲載されましたので、ご報告いたします。 Takagi,T., Nagata,J., Nakata,K., Kaneko,S., Tamate,H. B., & Watari, Y. (2026). A non-native sika deer found in the Yambaru region of Okinawa-jima Island, Southern Japan, exhibits a genotype originating from Northern lineage. Mammal Study 51(2). https://doi.org/10.3106/ms2025-0044
-
2025年5月奈良公園の宝石とも称され、ルリセンチコガネとも呼ばれる瑠璃色のオオセンチコガネは、どのように生まれてきたのでしょうか?これは多くの研究者や昆虫愛好家の長年の疑問でした。近年の研究により、近畿地方の赤、緑、瑠璃の 3 色のオオセンチコガネの歴史は 2000年より短く、意外に最近であることが明らかにされています。そこで神戸女学院大学の高木俊人専任講師、北海道大学の荒木祥文研究員(論文執筆時は京都大学特定研究員)、福島大学の兼子伸吾教授からなる研究グループは、オオセンチコガネとニホンジカ集団の歴史的な変遷について遺伝解析をもとに比較しました。その結果、シカの集団が人間活動によって孤立・断片化したのと同じ時期に、オオセンチコガネの色彩多型を持つ集団も分岐していました。つまり、1) 歴史的な人間活動がシカを含む哺乳類の分布に影響を及ぼし、哺乳類の糞を食べるオオセンチコガネ集団の分岐にも影響したと考えられます。2) また、色彩多型を有する集団の分岐が約 600 年前と比較的最近であることから、奈良時代の平城京に生息していたオオセンチコガネは瑠璃色をしていなかった可能性もあります。 本研究の成果が、国際環境研究協会発行の学術誌『地球環境』に発表されましたので、ご報告いたします。 高木俊人, 荒木祥文, 兼子伸吾. (2025). 近畿地方のニホンジカとオオセンチコガネの遺伝構造から読み解く人間活動の歴史的な影響. 地球環境 30(1), 53-62.
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2024年2月奈良市内のニホンジカは国の天然記念物「奈良のシカ」に登録され、奈良公園ではその人慣れした姿から、世界中から訪れる観光客に親しまれてきました。その一方で、奈良市ではシカによる農作物被害も近年問題となっています。そのため奈良市内を保護地区と管理地区、緩衝地区の 3 つに分け、管理地区では農林業被害対策のためのシカの捕獲事業が奈良県主導で 2017 年度より実施されてきました。 しかし、これらの管理地区で捕獲されたシカはどこから来たのでしょうか? 福島大学、奈良教育大学、山形大学からなる共同研究グループは、奈良市内のシカの血縁関係を DNA 解析によって調べ、管理地区のシカの由来や交配の状況を調査しました。その結果、以下の 3 点が明らかとなりました。 ・管理地区では市外からやってきた個体が多く、一部は保護地区にも入り込んでいる可能性が高い。 ・緩衝地区に近い管理地区では保護地区由来の個体と市外由来の個体が混在し、交配している。 ・長期間の孤立や遺伝的独自性等の奈良公園集団の特徴は、現在、変化しつつある。 この研究成果が学術雑誌『Conservation Science and Practice』に正式発表されることになりましたので、ご報告いたします。 Takagi, T., Torii, H., Kaneko, S., & Tamate, H. B. (2024). The sacred deer conflict of management after a 1000‐year history: Hunting in the name of conservation or loss of their genetic identity. Conservation Science and Practice, e13084. https://doi.org/10.1111/csp2.13084
-
2023年9月誰もが知っている動物のニホンジカですが、もっとも基礎的な生物理解のひとつでもある亜種分類が現在でも混乱した状況にあります。特に馬毛島の個体から亜種記載された「マゲシカ」はその分布域や系統的な独自性といった亜種としての実像がはっきりしていませんでした。そこで、福島大学の兼子伸吾准教授を中心とした福島大学、森林総合研究所、北海道大学、合同会社エゾリンクからなる共同研究グループは、馬毛島と種子島に生息するとされてきたマゲシカの系統的独自性を遺伝解析データから再検討しました。その結果、マゲシカはヤクシカともキュウシュウジカとも異なる遺伝的なグループであることが明らかとなりました。さらに、馬毛島と種子島に生息するマゲシカは、ヤクシカと共通の祖先をもち、ヤクシカと同等の進化的時間をかけて成立した独自の系統であることが示されました。 本研究成果が日本生態学会の学会誌『保全生態学研究』に発表されることになりましたので、ご報告いたします。 兼子伸吾, 亘悠哉, 高木俊人, 寺田千里, 立澤史郎, & 永田純子. (2023). マゲシカ Cervus nippon mageshimae の遺伝的独自性についての再検討. 保全生態学研究, 28(2), 425-436. https://doi.org/10.18960/hozen.2302
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2023年8月福島大学共生システム理工学類の高木俊人特任助教と、山形大学理学部 4 年の山澤泰氏らはアズマモグラの繁殖生態について研究してきました。モグラ類は完全な地下生活を行っているため直接観察や飼育が難しく、その繁殖生態はほとんど分かっていません。本研究ではアズマモグラの1 親子(母 1 個体、仔 3 個体)を対象に遺伝マーカーを使用した親子判定を行いました。その結果、先行研究で開発されていた遺伝マーカーが親子判定に使用できることと、一腹の 3 個体の仔の父親は 1 個体であったことが明らかになりました。本研究の成果はアズマモグラにおいて親子判定が可能なことを示したことにあり、計画的に妊娠メスなどを捕獲、分析できれば、一夫一妻なのか、一夫多妻なのか等、これまで大きな謎とされてきたモグラの繁殖様式解明の手掛かりとなります。 本研究成果が日本哺乳類学会の和文機関誌『哺乳類科学』に発表されることになりましたので、ご報告いたします。 山澤泰, 高木俊人, & 兼子伸吾. (2023). アズマモグラ (Mogera imaizumii) の繁殖生態解明に向けたマイクロサテライトマーカー解析の有用性. 哺乳類科学, 63(2), 179-184. https://doi.org/10.11238/mammalianscience.63.179
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2023年2月ニホンジカは明治時代から昭和時代前半にかけての強力な狩猟圧によって個体数が激減し、生息地が分断化され、各地で地域個体群が絶滅していました。しかし近年シカの分布域は急速に拡大しつつあり、日本の国土の約 7 割を占めるに至っています。茨城県では過去 100 年近くシカの生息は確認されていませんでしたが、2013 年以降シカの目撃が報告されてきました。そこで、福島大学共生システム理工学研究科の高木俊人氏(博士後期課程 3 年)および兼子伸吾准教授、森林総合研究所、茨城県自然博物館などとの共同研究において、茨城県南西部で得られたシカの個体情報を整理するとともに、周辺地域のシカも含めたミトコンドリア DNA 解析を行いました。その結果、茨城県南西部に出現した 3 個体は全て 1 歳のオスジカであり、いずれも日光地域のシカとミトコンドリア DNA の遺伝子型が完全に一致しました。茨城の 3 個体はいずれも河川の近くで捕獲・発見されており、日光地域の若いオスジカが河川敷や河川沿いに広がる緑地を利用して茨城県内まで移動したことが示唆されました。 本研究成果が「野生生物と社会」学会の学会誌『野生生物と社会』に発表されることになりましたので、ご報告いたします。 永田純子, 後藤優介, 高木俊人, 兼子伸吾, & 原田正史. (2022). 茨城県南西部に出没したニホンジカのミトコンドリア DNA 遺伝解析による出自の推定. 野生生物と社会, 10, 63-73. https://doi.org/10.20798/awhswhs.10.0_63
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2023年1月奈良公園に生息するニホンジカは、神の使いとして古くから厳重に保護が行われてきました。現在、すっかり人馴れした奈良公園のシカは、せんべいをねだる姿が多くの観光客をひきつけるなど、観光資源のひとつとなっています。しかし、これらのシカの由来に関する遺伝的研究はほとんどなく、周辺地域のシカとの遺伝的な違いについても明らかになっていませんでした。そこで奈良教育大学、福島大学、山形大学からなる共同研究グループは、奈良公園と紀伊半島各地のニホンジカを対象に詳細な遺伝解析を実施しました。 その結果、大きく以下の 3 点が明らかとなりました。 ・ 奈良公園のシカは周辺地域と近縁ではあるものの独自の遺伝子型を持つ集団であること ・ 奈良周辺地域のシカ集団は 1000 年以上消滅状態だったこと ・ 奈良公園のシカが 1000 年以上生き残れたのは人間の保護によると考えられること 以上の結果から、奈良公園のシカは 1000 年以上もの長きにわたり人々によって守られて生き残ってきた特殊な存在であり、まさに生きている文化財のような存在であることが明らかになりました。 この研究成果がアメリカ哺乳類学会(The American Society of Mammalogists)の学会誌『Journal of Mammalogy』に発表されることになりましたので、ご報告いたします。 Takagi, T., Murakami, R., Takano, A., Torii, H., Kaneko, S., & Tamate, H. B. (2023). A historic religious sanctuary may have preserved ancestral genetics of Japanese sika deer (Cervus nippon). Journal of Mammalogy, 104(2), 303-315. https://doi.org/10.1093/jmammal/gyac120
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2023年1月紀伊半島と奈良公園のニホンジカの研究論文(Takagi et al. 2023)について、研究内容の解説リーフレットを作成しました。 サイエンスライターの彩恵りりさんとイラストレーターの由紀ウサギさんにご協力頂きました。 *本ファイルは自由にダウンロード、印刷、再配布できますが、改変については禁止します(CC BY-NC-ND 4.0)。
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2022年9月福島大学共生システム理工学類の兼子伸吾准教授と平尾章客員准教授、量子科学技術研究開発機構放射線医学研究所の渡辺嘉人放射線規制科学研究部研究統括、森林研究・整備機構森林総合研究所の上野真義チーム長を中心とする研究グループは、慢性の放射線被ばくが、植物の DNA塩基配列において新規突然変異をどのように増加させるのかについて、モデル植物であるシロイヌナズナを対象とした照射実験と全ゲノム解析によって明らかにしました。本研究成果は『Science of The Total Environment』誌の 9月 10日号(既に公開中)にて発表されました。 Hirao, A. S., Watanabe, Y., Hasegawa, Y., Takagi, T., Ueno, S., & Kaneko, S. (2022). Mutational effects of chronic gamma radiation throughout the life cycle of Arabidopsis thaliana: Insight into radiosensitivity in the reproductive stage. Science of The Total Environment, 838, 156224. https://doi.org/10.1016/j.scitotenv.2022.156224
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2022年8月共生システム理工学類の兼子伸吾准教授およびドノヴァン・アンダーソン弘前大学被ばく医療総合研究所特任助教(研究当時福島大学大学院共生システム理工学研究科所属)を中心とする研究グループは、放射性物質によって汚染された地域に生息するイノシシを対象に、被ばく線量と遺伝的な影響について調査しました。分析の結果、イノシシの生涯被ばく線量は 0.1-700mGy であったこと、事故後、数世代が経過したものの塩基配列の突然変異の蓄積は観察されないこと等が明らかになりました。 本研究成果は8 月 1日発行の『Environmental Pollution』誌にて発表されます。 Anderson, D., Kaneko, S., Harshman, A., Okuda, K., Takagi, T., Chinn, S., Beasley, J. C., Nanba, K., Ishiniwa H., & Hinton, T. G. (2022). Radiocesium accumulation and germline mutations in chronically exposed wild boar from Fukushima, with radiation doses to human consumers of contaminated meat. Environmental Pollution, 306, 119359. https://doi.org/10.1016/j.envpol.2022.119359
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2022年6月共生システム理工学類の平尾章客員准教授と元福島県林業研究センター熊田淳副所長を中心とする研究グループは、ナメコの系統解析を可能にする遺伝マーカーを開発し、日本で流通量の 99%を占める菌床栽培用の菌株は、60 年前に福島県で採取された単一の野生株から派生した可能性が高いことを明らかにしました。本研究成果が日本菌学会の英文誌『Mycoscience』誌に発表されることとなりましたので、ご報告いたします。 Hirao, A. S., Kumata, A., Takagi, T., Sasaki, Y., Shigihara, T., Kimura, E., & Kaneko, S. (2022). Japanese “nameko” mushrooms (Pholiota microspora) produced via sawdust-based cultivation exhibit severe genetic bottleneck associated with a single founder. Mycoscience, 63(3), 79-87. https://doi.org/10.47371/mycosci.2022.03.002
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2022年4月本解説資料は Takagi et al. (2022) "Habitat disturbance may form subpopulation genetic structure in an invasive rodent species (Myocastor coypus) within a Japanese river system" (https://doi.org/10.1007/s11355-022-00508-8)の内容を日本語で要約したものです。
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- 2022年2月共生システム理工学研究科の兼子伸吾准教授と藤間理央氏(博士後期課程2 年)を中心とする研究グループは、南会津町、森林総合研究所、広島修道大学と共同で福島県の南会津町やその周辺地域において、個体数増加が確認されたニホンジカの遺伝的特徴について研究してきました。これまで会津地方南部のニホンジカの急増は、隣接する栃木県日光市に生息する個体の分布拡大が関与していると考えられてきました。しかし、会津地方南部の集団には日光市のニホンジカ集団とは異なる系統が存在することが確認され、日光市だけでなく、日光市以外の集団もこの地域に移入していることを明らかにしました。本研究成果が『野生生物と社会』学会誌に発表されることになりましたので、ご報告いたします。 藤間理央, 高木俊人, Anderson Donovan, 斎藤涼我, 千本木洋介, 奥田圭, 永田純子, 兼子伸吾 (2021) 福島県会津地方南部において近年分布を拡大しているニホンジカ個体群の遺伝的組成とその起源. 野生生物と社会 9 巻 p. 57-64. https://doi.org/10.20798/awhswhs.9.0_57
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2022年1月福島大学共生システム理工学研究科の高木俊人氏(博士後期課程 2 年)および、兼子伸吾准教授を中心とした筑波大学、奈良教育大学、山形大学、森林総合研究所の共同研究グループは、ニホンジカの雄の種内系統や、その分布の把握に有効な遺伝マーカーを新たに開発しました。これまでニホンジカの種内系統や遺伝的多様性の研究においてはミトコンドリアDNAを対象とした研究が主流でした。しかし、ミトコンドリアは、母親のみを介して仔に伝えられるという遺伝特性を持つため、雌の種内系統しか明らかにすることができません。そこで本研究では、雄のみが持つ Y 染色体上にある SSR 遺伝子座に着目し、近縁種であるアカシカの公開ゲノム情報を用いて、雄の種内系統を識別可能な遺伝マーカーを開発しました。 本研究成果が個体群生態学会の国際誌『Population Ecology』に正式発表されることになりましたので、ご報告いたします。 Takagi, T., Tsuda, Y., Torii, H., Tamate, H. B., Kaneko, S., & Nagata, J. (2022). Development of paternally‐inherited Y chromosome simple sequence repeats of sika deer and their application in genetic structure, artificial introduction, and interspecific hybridization analyses. Population Ecology, 64(2), 150-160. https://doi.org/10.1002/1438-390X.12109