日本の看護における宗教の在りようとその変遷について文献検討を行った。医学中央雑誌Web(Ver.5)、CiNii Articlesを用い、シソーラス用語である「宗教」「看護」をキーワードとしてAND検索を行った。検索可能期間で抽出された文献で取り寄せの可能なもの、内容の精査などをし、最終的に212件を分析対象とした。対象文献は1995年から2019年に発表されており、2020年代に入り緩和医療での死生観、スピリチュアルというワードでの発表、研究が少しずつ増加していた。終末期ケア、緩和・ホスピス領域の看護師を対象とした研究では、スピリチュアリティの高い看護師はスピリチュアルケアを積極的に行うことなどが報告されていた。終末期ケア・緩和・ホスピス領域の患者を対象とした研究では、宗教者の果たす役割の報告などがあった。高齢者や精神疾患など慢性疾患を抱える人を対象とした研究は2003年から一定数見られ、近年増加していた。