2020年3月
高齢患者の性に対する看護師の認識 看護師へのフォーカスグループインタビュー調査
アディクション看護
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- 巻
- 17
- 号
- 1
- 開始ページ
- 2
- 終了ページ
- 15
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 日本アディクション看護学会
看護師の高齢患者の性に対する認識と、それに基づく看護の実際を明らかにすることを目的に、高齢者の多い病棟で就業する看護師を対象にフォーカスグループインタビュー調査を実施した(3病院4病棟)。データを質的帰納的に分析した結果、【年齢を重ねても変わらない性意識】【患者の性に当惑する】【患者の性を尊重する】【患者の性を愛おしむとともに、自分の将来の性に思いを馳せる】【性への希求性を通じて「生」の摂理を知る】【看護と管理対象としての患者の性】の6カテゴリと、33コードに集約された。対象看護師は、高齢患者が男女を問わず何歳になっても性と異性を意識していることを掌握し、患者から性的接触を受けることに対する自分自身の抵抗や、患者の性的興奮を目にする衝撃を経験していた。また患者同士のあからさまな性行為や、一方的な異性患者への性的行為を問題視していた。一方で患者の男性らしさ、女性らしさを尊重することが人格の尊重に相当すると考え、性の相談もきちんと受け止めたいという姿勢、患者の性を愛おしみ、性行為を許容する姿勢を保持していた。そして高齢者の性を、自分の性に引き寄せていた。さらに、認知症高齢患者の性的言動事例を通じて性の不可思議と、そうした性への希求性を通じて「生」の摂理を了解するとともに、基礎教育や看護学教育に、性に関連した「生」の摂理を学べる仕組みの構築を期待していた。最後に、患者の性を看護と看護管理の対象として捉えていた。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 1349-7472
- 医中誌Web ID : 2020390421