豊田 知子

てんかんは脳梗塞と認知症に次いで3番目に多い神経疾患ですが、病態については未だ未解明の部分が多い疾患です。既存の抗てんかん薬を複数用いても難治に経過する症例は30%近くあります。
これまでの抗てんかん薬の開発には、多くが薬物や電撃刺激による「けいれん」モデル動物が用いられてきましたが、近年は遺伝子異常の解析が進み、遺伝子改変動物の作成によって、より病態に基づく治療法開発を検討することが可能になって参りました。
現在多数のてんかん患者さんの診療に携わる一方、研究分野では遺伝子改変トランスジェニックマウスである
歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症 (DRPLA) のモデルマウスや神経変性疾患のモデル細胞を使用して、新たな作用機序の抗てんかん薬及び疾患修飾療薬の開発に尽力しております。