論文

2013年3月20日

男女大学生における痩身願望に影響を与える心理的諸要因の検討

広島国際大学心理臨床センター紀要
  • 清原 直彦
  • ,
  • 檜山 美希
  • ,
  • 本田 未菜美
  • ,
  • 西村 太志

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出版者・発行元
広島国際大学心理臨床センター

本研究は,女性だけでなく男性においても痩せを称賛する文化が特に青年層において広がっているという問題に注目し,痩身願望を規定する心理的諸要因に着目して検討を行った。痩身願望は「痩身行動を動機付ける心理的要因」(馬場・菅原,2000)と定義されており,先行研究から心理的要因が痩身のメリット感・現体型のデメリット感を仲介し,痩身願望に影響を与えることが示されている。そこで,個人の特性が痩身のメリット感・現体型のデメリット感と痩身願望にどのような影響を及ぼすのかについて,性差の焦点をあて,その心理的メカニズムを検討することを目的とした。パス解析の結果,痩身願望に影響を与える個人特性が痩身のメリット感・現体型のデメリット感を一部仲介することが示され,さらに痩身願望を規定するモデルでは影響過程が性別の違いによって異なることが示された。男性では,痩身のメリット感,現体型のデメリット感が直接痩身願望に影響を与えることが明らかになった。女性では身体満足度が痩身願望に直接影響を与え,自尊感情が低いほど現体型のデメリット感が高まり,痩身願望を強めること,称賛獲得欲求が高いほど痩身のメリット感が高まり,痩身願望を強めることが明らかとなった。

リンク情報
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/120005668530
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA12125734
ID情報
  • ISSN : 1348-2092
  • CiNii Articles ID : 120005668530
  • CiNii Books ID : AA12125734
  • identifiers.cinii_nr_id : 9000310002684

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