共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

経験的生命倫理学における方法論の構築とその応用

日本学術振興会  科学研究費助成事業  若手研究

課題番号
21K12908
体系的課題番号
JP21K12908
配分額
(総額)
4,550,000円
(直接経費)
3,500,000円
(間接経費)
1,050,000円

2003年、生命倫理学の方法論的転換として「経験的転回」が提唱された。経験的生命倫理学とは、生命科学が提起する倫理問題に対して、「理論」(理論的な分析)と「経験」(経験的なデータを用いた分析)を統合することにより規範的な結論を導く学問分野である。本研究では、1)日本の視座を導入することで、欧米中心の経験的生命倫理学を相対的に捉え直し、多様な文脈に応用可能な方法論を構築し、2)その方法論を、例えば、幹細胞研究が提起する倫理問題に応用することで、規範的な結論を導くことを目的としている。
本年度は、日本の経験的生命倫理学に関連する先行研究を読み解くとともに、理論と経験を架橋するための方法論を探究するため、有志研究者と各種勉強会を開催した。後者に関しては、「ASHBi生命倫理勉強会」に、デイヴィッド・ヒューム研究者である澤田和範氏(関西学院大学、日本学術振興会PD)を招聘し、3回にわたるヒューム連続講義を開催した。また、京都大学在籍の有志研究者とメタ倫理学に関する輪読会を企画開催し、理論と経験を架橋する方法論の哲学・倫理学的基礎を掘り下げて検討した。いずれの勉強会も次年度以降も継続実施する予定である。
さらに、経験的生命倫理学の分野において最前線で研究を進める英米圏の研究者(ブリストル大学のジョナサン・アイブス氏、リチャード・ハクスタブル氏、オックスフォード大学[2022年1月からシンガポール国立大学]のマイケル・ダン氏)との共同研究も本格的に開始した。新型コロナウイルス感染症の影響で対面で議論することができなかったが、次年度の感染状況が改善すれば、現地でより集中的に学術連携を深める予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K12908
ID情報
  • 課題番号 : 21K12908
  • 体系的課題番号 : JP21K12908

この研究課題の成果一覧

論文

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MISC

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