2018年4月 - 2021年3月
脳機能イメージングによる能動的低代謝の原理解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究では絶食によって生じるマウスの休眠をMRI内で誘導し、マウス休眠における脳の局所的活動ダイナミクスを観察することが目的である。マウスの頭部を固定したまま、体を保定した状態で24時間拘束し、この間に休眠を誘導する必要がある。2019年度は昨年度に引き続き予定していた3つの目標のうち、目標1「休眠を誘導しながら機能的MRIを測定する」と目標2「MRI装置内で全身の代謝を測定する」を中心に実験を進めた。目標3「低代謝に至る脳活動ダイナミクスを明らかにする」は目標1と目標2が達成され次第、すすめていく予定である。目標1に関してはMRIのマウス用コイルに入りうる頭部固定装置をデザインしようとしたが、マウスを24時間固定し続けるためには大きさが足りなかったため、ラット用のMRIコイルに装着できるマウス頭部工程装置を開発し、マウスを固定した状態で24時間生存できることを確認した。同固定装置にマウスを保定した状態で休眠誘導を試みているが現在は成功していない。また、MRIを測定しながら代謝を評価するために非侵襲に検出された呼吸波形を機械学習を用いて代謝を推定するアルゴリズムを開発するための呼吸波形を取得する予定であったが、リソースの問題で2019年度内に成し遂げられなかった。計画2はラット用のMRIコイルでマウスの頭部の機能的MRIを撮影している。休眠が誘導されたマウスの基礎代謝は著しく低下するため、代謝が低下した状態を鋭敏に検出する必要があるが、麻酔をかけたマウスと死後マウスの差を描出できることを確認した。
- ID情報
-
- 課題番号 : 18K06347
- 体系的課題番号 : JP18K06347