共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2020年3月

東アジアを中心としたシャジクモの分布様式と多様性の成立過程解明と適応遺伝子の探索

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
16H05764
配分額
(総額)
16,900,000円
(直接経費)
13,000,000円
(間接経費)
3,900,000円

東アジアにおいて水田と湖沼に適応したシャジクモ(Chara braunii)の生態的多型(水田型と湖沼型)が知られている。本研究では、東アジアを中心とした海外から様々な水環境に生育するシャジクモを採集し、種内のゲノム全体を網羅する遺伝的多型情報を明らかにし、空間的に分かれた集団間の遺伝子流動の有無と系統関係を解明することで、現在の分布様式の成立過程と海外でのシャジクモの多様性の全体像を解明する。さらに、種内において見いだされた生態型/局所集団毎に固定された遺伝子座をゲノムに基づき網羅的に抽出し、同一培養条件下、相互移植実験下などでの生態型/局所集団間の表現型と遺伝子型を比較することで、局所適応の有無を実験的に検証するとともに、生態型の進化過程と適応遺伝子を特定する。
平成29年度は、前年度から継続して新たに国内外の多様な生育環境から多数のサンプルを採集し、滅菌した卵胞子を発芽させることにより単藻培養株を確立した。また、葉緑体DNA(rbcL遺伝子、atpB-rbcL遺伝子間領域)に基づく分子系統解析を実施し、新たに採集したサンプルの系統的位置づけを確認した。
これまでの同一培養条件下での表現型解析により形態的形質が明らかになった系統株についてゲノムDNAを抽出し、ホールゲノムショットガン解析を行い、得られた配列データを参照ゲノム配列にマッピングし、全ゲノムレベルの遺伝的多型情報を取得した。得られた全ゲノムレベルの遺伝的多型情報に基づき、全葉緑体DNAおよび核DNAの各領域毎に分子系統樹を構築し、集団/生態型間の系統関係と遺伝的分化の度合いを解析した。

ID情報
  • 課題番号 : 16H05764